タナカミノル氏

アドビの期間限定ギャラリー「station 5」にて、個人アニメを制作するクリエイターを招いたイベント「インタラ塾(特別編)」が開催された。

タナカミノル氏が開催している「月刊インタラ塾」は、毎月さまざまなゲストを迎え、Web広告のありかたや技術などについて語り合うというイベントだ。そんな月刊インタラ塾が、アドビの期間限定ギャラリー「station 5」にて開催された。当日のテーマは「ひとりでできたもん!」。個人でアニメーションを制作しているクリエイターが登場し、タナカミノル氏と共にイベントを盛り上げた。

NHK『みんなのうた』の映像作家になった池ヶ谷愛

ひとり目のゲストはFlashクリエイターの池ヶ谷愛氏。池ヶ谷氏は、ひとりで作品制作するために重要な「モチベーションの維持」をテーマにトークを行なった。池ヶ谷氏がアニメーションを作り始めたのは大学生のころ。当時は「Illustrator」で描いたイラストを「Premiere」に並べて制作していたそうだ。しかし、「Flash」に出会ってからは、描いたものがすぐに動かせるという機能に感動し、大学の卒業制作でも20分のアニメーションを完成させたという。卒業後は企業からの依頼で玩具のパイロットフィルムを作成したり、3人の仲間といっしょに作品を制作していた。しかしこの時期、徐々にモチベーションが下がってきたと言う。仕事でアニメ制作をするのに、個人ではなにもしないという毎日が続いていたという。「頭の中で美大卒という言葉がジャマをして、『どうせ作るならば一発逆転を狙いたい』とか、『時間を無駄にしてはいけない』などと考えている内に、時間ばかりが過ぎていった」と当時のことを振り返る。

池ヶ谷氏は、「自分のやっかみなんですけど、作家は作りたくて作る。ドロっ子はいつか作るとクチだけ」と、そのころの自分を「ドロっ子」と称した。池ヶ谷氏が出した答えは「考えるよりも手を動かせ」。そして、仕事の合間の1時間くらいで作れるアニメ企画し、無事に完成させた。誰だって情熱は冷めるものなので、短時間で作りきることが重要と言う。作業が楽しく感じる間に完成させるのがコツだそうだ。

その後、2009年3月から2カ月間に、コンペなどに4作品を投稿し、4作品とも連続入賞。作品を見てもらえ評価されるということで、モチベーションが上がっていったとのこと。あるコンペで審査員を務めていたタナカミノル氏からNHK「ミニミニ映像大賞」というコンテストの事を聞き『うさぎ紳士』という作品を投稿した。このコンテストではグランプリこそ逃したものの、ここで知り合ったアートディレクターの鈴木哲氏から、NHK『みんなのうた』の仕事を請けた。それが「オハナ」という曲にあてる映像作品となった。

少し前まではモチベーションが低かった池ヶ谷さんだが、こうやって約1年でアニメーション作家として活躍する人気作家となった。いまの彼女がいるのは、自ら手を動かして作品を作り続けたから。このスピーチを聞いた来場者は、きっと勇気づけられたに違いない。

池ヶ谷氏の頭には、「美大脳」という考え方があるとのこと

かわいらしさとシュールさを兼ね備えた池ヶ谷氏の作品

サンディスクの案件で制作したアニメーション

「Adobe CS5」体験版はこちらから