STMicroelectronicsは、子会社でHPC向けコンパイラのサプライヤであるPortland Groupが、PGI 10.4リリースを含む「PGI Acceleratorコンパイラ」のすべての製品ラインが、Fermiアーキテクチャを採用したNVIDIAのGPUに対応したことを発表した。

NVIDIAのTesla 20シリーズは、HPC分野向けに多くの機能をサポートするほか、NVIDIA CUDAツールキットのバージョン3.0もサポートしている。

最新版のPGI Acceleratorコンパイラを用いることで、NVIDIA GPUプラットフォーム上でCUDA Fortranのフル・サポートが可能となる。また、複数のAPIを強化すると共に、Fortranモジュール内で動的に割り当て可能なデバイス配列のサポートが追加されている。

CUDA Fortranは、NVIDIAとPortland Groupが共同で定義したもので、Fortran 2003プログラミング言語の拡張版となる。PGI 10.4リリースでは、Fermiアーキテクチャを採用したプラットフォーム上でPGI Acceleratorのディレクティブ・ベース・プログラミング・モデルに対するサポートも強化。これにより、アプリケーション領域の専門家がGPUソフトウェアの開発に取り組むことが容易になり、プログラムや関数をGPU向けにそのすべてをポーティングもしくは並列化する代わりに、標準準拠の移植可能なFortranまたはCのソースコードにPGI Acceleratorディレクティブを書き加え、計算時間の掛かるループとコード部分のポーティング作業ならびに並列化を逐次行うことができるようになる。

また、PGI 10.4リリースには、任意のCUDA対応GPU上で動作するアプリケーションを1つのバイナリとしてビルドするためのPGI Unified Binaryテクノロジーの使用を含め、複数の機能が追加されている。プログラマは、PGI 10.4コンパイラを使用することで、Tesla C1060 GPUと新しいTesla C2050 GPUの両方で動作するそれぞれに最適化されたコードを自動生成することが可能となるほか、より高速な倍精度演算、大容量かつコンフィギュラブルな高速共有メモリ、増加したコア数などの新しいGPUの機能を活用することができるようになる。

PGI 10.4は、LinuxおよびWindows、MacOS上でNVIDIA GPUプラットフォームをサポートしており、Microsoft Visual Studio内ではPGI Visual Fortranを通してサポートしている。Fermi GPU向けコンパイラおよびツールは、PGI 2010リリース バージョン10.4の一部で、現在入手可能となっており、15日間の無償試用版は、PGIのWebサイトで提供されている。