雑誌+DESIGNING、雑誌Web Designing、マイコミジャーナルの3媒体が、様々なジャンルのクリエイターたちを100人連続で紹介していく新企画。第22回は、インダストリアルデザイナー・田中庸介が登場。

田中庸介プロフィール

1979年三洋電機入社。テレビや電池応用商品のデザイン担当後、LED関係やロボット関連テーマの社内ベンチャーを起案・従事する。2005年から、インハウスデザインの新しい在り方をめざし、世田谷ものづくり学校(IID)に新しい拠点(SANYO IID DESIGN Labo.)を構え、ジャンルにとらわれない多岐にわたるデザイン活動を行う。受賞歴はGマーク大賞をはじめ担当商品でのGマーク受賞は80点以上、海外のIF賞、REDDOT賞、IDEA賞など、インハウスデザインに関係する賞を多く受賞している。

Q&A

――この仕事に就こうと思った年齢ときっかけは?

田中庸介(以下、田中)「小学生の時、教科書にマンガではなくテレビやトランジスタラジオの落書きばかりしていました。中学生になり、インダストリアルデザインという仕事を知り、その時にこれしかないと思いました」

――これまでで一番思い入れのある仕事は?その理由や思い出を教えてください。

田中「どの仕事にも心をこめているつもりですが、今のラボ(IID)で、最初に商品化することが出来た電子レンジ(EMO-1000S)とオーブントースター(SK-WQ3)は、市場でのデザインの評判も良く、売れ行きも好調で、当初の計画よりかなり長く販売出来たのが良かったと思ってます。あまりコロコロとモデルチェンジをするのはおかしいと考えているので」

左:電子レンジ(EMO-1000S)
CL:自社(三洋電機)商品
右:オーブントースター(SK-WQ3)
CL:自社(三洋電機)商品

――この仕事を辞めようと思ったことはありますか?また、そのきっかけは何ですか?

田中「この仕事を辞めようと思ったことはないですが、インハウスを続けるかどうか迷ったことはあります」

――これから取り組んでみたいこと、関わってみたい仕事は何ですか?

田中「今、日本の製品デザインはかなり不味いです。"使うため"ではなく、"売るため"の加飾、嘘飾デザイン、処理不足の未成熟なデザインが家電量販店やカーディーラーにあふれています。普通に好いデザイン、長く愛着を持って使ってもらえるデザインをひとつでも多く商品にしていきたいです」


――愛用している、思い入れのある道具や本、ものを教えてください。

田中「無印さんの手帳とBICの3色ボールペン、あとは頭の中で展開、完成させます」

田中氏愛用の無印の手帳とBICの3色ボールペン


――尊敬している人を教えてください。
田中「デザインした商品を気に入ってくれて、買って、使ってくれる人には、ほんとうに敬意を表したいです」

――アイデアを練る場所、時間などを教えてください。

田中「デザイン与件を打ち合わせている時に、頭の中で、ほぼ最終形に近いデザインがディテールまで含めてビルトアップ出来ることが多いです」

――1カ月で仕事をしない日は何日ありますか?

田中「好きな仕事なので、休み中もあれこれ考えています。切り替えが必要だとは思うのですが…」

――理想的なオフの過ごし方は?

田中「気にいったモノ、かっこいいモノやコトに出会えること。例えば、山中で日本一大きなヒラタクワガタに遭遇するとか…。(中学の時に日本一大きなミヤマクワガタを捕獲しました)」

――趣味やコレクションなど、いま、個人的にハマっていることを教えてください。

田中「最近、『仁義なき戦い』という映画を全編、見直しました。(やはり闘わなければ)昔から、ヤンガルバレクというノルウェー出身のサックス奏者が好きで、最近、また、よく聴いています」

――お酒を飲みますか?週何日、どのくらいの量を飲みますか?

田中「毎日、食事の時に、ビールに似た安い飲料を飲んでいます」

――同業でよく飲みにいく、食事をする人は誰ですか?

田中「同業の人とのつきあいがあまりないので…」

作品紹介

左:液晶テレビ(LCD-HR100)
CL:自社(三洋電機)商品
右:エアーフレッシャー(CAF-VW10TG)
CL:自社(三洋電機)商品