全国紙5紙における主要企業1,000 社の掲載傾向を調査しているデスクワンは5月21日、各企業の掲載記事を各紙・各面の広告料金に置き換えた広告換算値の2009年度ランキングを発表した。トップとなったのは3年連続でトヨタ自動車だが、例年に比べてマイナス記事が急増し換算値全体の4割を占めたという。

トヨタ自動車は、2009年度に全国紙に掲載された記事全体の広告換算値が1,000 社中最多の約79億円と、3年連続で首位となった。

プラス記事は、前半に新型プリウスの好調な販売や豊田章男社長就任の話題でく注目されたこともあって、約24億円と前年度並みの換算値を維持した。しかし秋以降、米国でのリコール問題に関連する記事が大きく掲載された影響で、2007、2008年度にはほとんどなかったマイナス記事が約35億円に急増した。

第2位から第5位までは上から、日本航空、日本郵政、GM、JR東日本、JR西日本。JR東日本とJR西日本はそれぞれ広告換算値が約28億円で第5位、約21億円で第6位だったが、前者はプラス記事が全体の61%を占めたのに対し、後者はマイナス記事が82%だったという。

JR東日本は、4月に首都圏201駅の全面禁煙化や成田エクスプレスの新型車両発表などでプラス記事ランキング首位になったほか、12月の埼京線での痴漢防止カメラの全国初となる試験運用開始などの取り組みが多く報じられ、2009年度プラスランキングでは1,000社中第2位となった。

一方、JR西日本は福知山線脱線事故に関連した報道が全体のほぼ半分を占め、マイナス記事の換算値が17億円を超えて2009年度マイナスランキングでは第4位だった。

そのほか、経営統合の報道で、サントリーとキリンビールが広告換算値の順位を大きく上げ、それぞれ前年度の26位から10位、46位から14 位に躍進したことが挙げられている。関連報道はサントリーが全体の56%、キリンが60%を占めたという。

2009 年度広告換算値ランキングトップ15 資料:デスクワン