デジタルハリウッド大学大学院のストーリーマーケティング研究室は、デジタルハリウッド大学大学院・秋葉原セカンドキャンパスにて、プロジェクト3D立体視作品『レッド&ブルー物語』DVD発売・レンタル開始記念トークイベント「教えて先生!イトーカンパニー新人女優たちと学ぶ立体視」を開催。同DVDで主演を務めた藤江れいなさん(AKB48)と近野莉菜さん(AKB48)、桐島里菜さん、坂田彩さんが参加した。

左から坂田彩、桐島里菜、近野莉菜、藤江れいな

イベントの前半では、同DVDで立体視技術を担当した北田能士さん(デジタルハリウッド大学院5期生)が「立体視で撮影をするということ」をテーマに講義を実施。視覚の構造から立体視の種類など、立体映像技術に関する様々な話を紹介し、新人女優らからの「なぜ赤青メガネ方式に?」や「赤青以外の色ではダメ?」といった質問に対しては、北田さんは「一般的なテレビで表現でき、特殊な機械や高価なメガネがいらない唯一の方法だから。色は今では緑と黄色もあり、目への優しさや調整のしやすさから今後増えると言われています」と回答。また、「人種によって見え方は違うの?」、「なぜカメラが2台必要なの?」との質問には「重要なのは目の距離。その左右の目にそれぞれ映像を用意するために2台必要だった」と解説した。そのほか、撮影自体の簡単さに比べ、酔わない映像に調整する難しさなど、研究中の技術ならではの苦心も明かした。

本イベント前半の様子は、ニコニコ生放送でも中継された

同DVDは、ストーリーマーケティング研究室とイトーカンパニーが共同制作し、デジタルハリウッド大学院4期生の伊藤やよいさんが監督を務めた「眼鏡の転校生」と同大学院5期生の陳陽さんが監督を務めた「ボウリング de 悪霊退散」を収録したもの。この2作品には、ともに3D映像が含まれており、立体視できるのは左右の視野が被る箇所だけであるにも関わらず、撮影時に「カメラの個体差を調整したらその箇所が遠くなり、カメラを被写体に寄せられず、編集でサイズ調整した」とのエピソードも紹介された。また、北田さんの説明に対し、専門用語が多く「難しい!」を連発していた4人も、こうした撮影状況と照らし合わせる中で、立体映像に関する理解が深まった様子。立体視を学ぶだけでなく、プロジェクト目標を達成する大変さも物語る講義となった。

左:監督を務めた陳陽さんと伊藤やよいさん
右:3D立体映像を生み出すビデオカメラ

イベント後半では、演出に関するトークを展開。「ボーリングde悪霊退散」の陳陽監督は、工夫した点として、「編集でホラー感を出した」ことを挙げ、「眼鏡の転校生」の伊藤やよい監督は、「キャラクターと鑑賞者が感覚を共有できる3D使いを意識した」とコメントした。

本イベントの最後に、感想を求められた藤江さんは「距離で3Dの見え方が変わる事がわかって面白かったです。あと演技のぎこちなさは初演技ということで大目に見てもらえると嬉しいです」と語り、桐島さんは「カメラが2台ある理由やなぜその位置かという理由がわかりましたね。3Dテレビも今後普及していくでしょうからいい勉強になりました」とコメント。3D技術と新人女優、ともに将来の可能性を感じさせる時間となった。