FXオンラインジャパン アナリストチームが最新のデイリーレポートをお届けする。先週は、週初よりゴールドマン・ショック、アイスランドの火山噴火そしてソブリン・リスク懸念の影響からリスク回避傾向が強まるも、概ね堅調な米企業の決算や米住宅市場の予想以上の改善が株式市場の下支え要因となった。

週末も3月の米新築住宅販売が予想外に強い内容となったことが株式市場の下支え要因としてとらえられた。またギリシャの支援要請が伝わると、為替市場ではユーロショートカバーの動きが広まった。これによりドイツとギリシャ国債の利回り格差も500bp未満まで縮小した。

本日の主要経済指標

・08:01 英・4月ホームトラック住宅調査

・08:50 日・3月企業向けサービス価格

・23:30 米・4月ダラス連銀製造業活動

要人発言

・23:30ダラス連銀製造業活動指数

・25:30トリシェECB総裁の発言

週明けの東京市場は、先週末の欧米株式での底堅い値動きと為替市場でのユーロショートカバーにより、調整色が依然として根強い中でも、底堅い値動きになる可能性がある。

今週は日本でも主要企業が決算発表を迎える。特に本日は、製造業を中心に決算内容へ注目が集まっており、米製造業同様に力強い業績回復が確認されれば、上値追いの期待感が膨らもう。

テクニカルでは、11000円付近では過熱感が依然として残り、25日MAもレジスタンスとして意識されている。仮に企業業績が市場予想を上回るようなら、本日はこのレベルでの攻防が注目される。

また、鍵を握るのはやはり為替の動きだろう。

ユーロは、先週末にギリシャ側からの支援要請があったとの報により、対ドルで1.33台、対円では125円台までシュートカバーが進行した。現在の円相場を動かす通貨ペアの買い戻しはクロス円全体へも波及し、円安基調が再び強まっている。

その影響はドル円にも波及し、94円のラインを再び上抜けてくる等、投資家のリスク許容度が広がっていることを示唆する動きとなっている。また、ドイツ国債とギリシャ国債の利回り格差も縮小する等、先週初めのリスク回避の動きが和らいでいることも欧州勢のマネーを呼び込む支援材料となる可能性もある。

仮にアジアンタイムでもユーロ円主導での円安が継続すれば、主力輸出関連株にとってはポジティブ要因となろう。

もちろんソブリン・リスクのトレンドは日々変化するため、ユーロ円の動きは今後とも注視しなければならない。実際、ユーロ圏自体への信任がこの問題で問われているとの声は市場で根強く、あらたな展開があればそれにより、再び荒れた動きとなることも考えられる。

また、クロス円の動向を左右するもうひとつの通貨ペアとして、豪ドル円の動きにも注目したい。

先週金曜日には、豪準備銀行のスティーブンス総裁が、『金利は平均近くまできている』との発言が伝わると売り圧力が強まった。この影響が継続すれば、金利先高観を背景にリスク回避の中でも買われていた豪ドルで軟調な地合いとなることも考えられる。

尚、ドル円に関しては、未だクロス円の動向次第といったところだろう。

目先、株価やクロス円の動向により93.90-94.00のゾーンで底堅い値動きとなるようなら、更なる上昇も考えられるが、下抜けるようだと、ネクストターゲットとして93.30レベルが浮上しよう。

日本225種株価指数 日足

ドル円 15分足