4月1日からテレビ東京系にて放送がスタートしたTVアニメ『HEROMAN』。『スパイダーマン』や『アイアンマン』などを産んだアメリカンコミックの巨匠、スタン・リー氏が原作を務める日米合作のタイトルとして大きな話題となっている。そこで今回は、『HEROMAN』の魅力を探るべく、シリーズ構成を務める大和屋暁氏に話しを伺ってみた。

■大和屋暁氏プロフィール
『銀魂』『武装錬金』『ソウルイーター』などでシリーズ構成を務めるほか、数多くのアニメ・特撮作品で脚本を担当する。

シリーズ構成・大和屋暁氏が語るTVアニメ『HEROMAN』

――『HEROMAN』の放送がついにスタートしました

TVアニメ『HEROMAN』はテレビ東京ほかにて放送中

「長かったですね。お通ちゃんのアルバムと同じぐらい(笑)」

――お通ちゃんの話はのちほどということで(笑)、『HEROMAN』のプロジェクト自体は2005年ごろからスタートしていると思いますが、大和屋さんが関わり出したのはどのあたりからになりますか?

「相当初期の段階ですね。ボンズさんで言うと『交響詩篇エウレカセブン』の放送が終わってすぐぐらいのころに、ボンズの南さんから電話をいただいて、それからずっと関わっている感じです。僕の作業自体は半年ぐらい前に終わったのですが、とにかく長かったなという印象ですね」

――大和屋さんが関わり出したころの状況はどういった感じでしたか?

「(キャラクターデザインの)コヤマさんの絵はすでにありまして、ジョーイがいて、デントンがいて、TAMAがあって(笑)。そういったイメージビジュアルを見せてもらいました。あとはスタン・リーのプロットがあるといった感じですね」

――スタン・リーのプロットというのはどのあたりまで書かれていたのですか?

「第一部のスクラッグ編全体が、映画のプロットみたいな感じでできあがっていました。それを見て、『さあこれはどうしたものか』という感じになりまして(笑)」

――プロットをみた第一印象は?

「まず、『HEROMAN』ってどうよって(笑)。まあ、これは関わった人間全員が通る道なんですけど」

――スタンのプロットは最初から「HEROMAN」だったんですね

「『HEROMAN』でしたね。"HERO"で"MAN"か……って、みんなが同じことを感じて、『南さん正気か!?』って思ったみたいですよ(笑)。でも、絵を見たら、コヤマさんのデザインが抜群にいいじゃないですか。カッコいいし、かわいいし。HEROMANはもう少し和風っぽい感じだったんですけど、その絵を見て、いけるんじゃないかなって思いました。いずれにせよ、引き受けること自体は、南さんに声をかけたもらったときから決めていたんですよ。これで恩返しをするときが来たぞって感じで」

――やはり最初は大変だなと思いましたか?

「大変だとは思わなかったですね。大変だと思い始めると、もっと大変なことになるので(笑)。まあそういうもんなんだと思えるまでには少しかかりましたけどね」

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