さまざまな食材の摂り方を紹介してきたが、ダイエットに効果がある食材はないのだろうか。管理栄養士の大柳珠美氏に解説してもらった。

1.こんにゃくでカロリー&糖質カット

たまった脂肪を燃焼したいときは、血糖値を上げて肥満ホルモン・インスリンを追加分泌しないことが肝腎なことは何度も言ってきたとおり。血糖値を上げる栄養素は糖質だけだ。私たちが普段、口にするものの中で、血糖値を急に上げ、インスリンをたっぷり追加分泌しやすいのは「主食」。ダイエット期間中は、主食は抜くのが理想的だが、ごはん好きは米粒の形をした「こんにゃく」を炊き込めばその分、糖質もエネルギーも減らすことができる。米とこんにゃくを混ぜて炊くと、炊き上がりはこんにゃくだけが上層部に集まるので、家族と食べ分けするときは、上層部のこんにゃくを多めにすくって茶碗によそうといい。

「糖質制限ドットコム」
http://www.toushitsuseigen.com/

2.キャベツや豆腐をごはんに見立てる

どんぶりに、キャベツの千切りをたっぷり盛り、熱々の牛丼の具をのせれば、味わいは牛丼。シャキシャキ、キャベツの歯ごたえは、早食いを防止し、食事の満足感、満腹感にも一役買ってくれる。また、水切りした豆腐をどんぶりに入れ、レンジであらかじめ温めておき、その上に熱々の親子丼の具をのせれば、味わいは親子丼。甘味は血糖値の上がらない「ラカントS」(サラヤ)や「パルスイート」(味の素)でつけることをお忘れなく。

3.きのこやおからでボリュームアップ

おからはから煎りした後、豆乳で固さを調整しながらフードブロセッサーにかければ、じゃがいもの代わりとして使える。例えば、マッシュポテトほどの固さのおからに、マヨネーズ、ゆで卵のみじん切り、薄切りきゅうりを和えればポテトサラダ風に。メインディッシュの付け合わせに多いポテトやコーンのかわりには、たっぷりのきのこのソテーもおすすめ。いずれもカロリーも低く、食べごたえもあり、満腹感をアップしてくれるので、ダイエット中には欠かせない。

4.海藻で食物繊維をプラス

ダイエット中、ダイエタリーファイバーも満腹感を得やすく便秘防止にも役立つため積極的に取り入れたい栄養素のひとつ。だが、不溶性食物繊維を多く含む、ごぼうやれんこんなどの根菜は旬でない時期もあり、また糖質が比較的、多め。そこでおすすめは水溶性の食物繊維。わかめ、もずく、めかぶ、こんぶ、ひじき、ところてんなどの海草類を積極的に食卓に取り入れよう。海藻はカロリーも低く、満腹感も得やすい。

5.たんぱく質のおかずで代謝をアップ

筋肉=基礎代謝を落とさないために、動物性たんぱく質をきちんと入れることが何より大事。肉、魚、卵、大豆など、おかずを食べて満腹感、満足感を得ること。たんぱく質の摂り方で気をつけるのは、揚げ物ではとらないこと。とんかつよりポークソテー、串揚げではなく串焼き、挽き肉も、ぎょうざより肉団子といった具合。ソーセージ、ハム、ベーコンなど肉の加工食品には添加物や糖類も含まれるものが多いので控えめに。かまぼこ、ちくわなどの魚の加工食品もつなぎのデンプンや砂糖がたっぷりなものもあるので食べ過ぎは注意。焼く、茹でる、刺身でなどナチュラルな調理法で新鮮なたんぱく質摂取を心がけたい。

PROFILE : 大柳珠美(おおやなぎたまみ)
管理栄養士。NPO法人糖質制限食ネット・リボーン理事。明星大学人文学部卒業。二葉栄養専門学校卒業。都内の3つのクリニックで、糖尿病、機能性低血糖症、脂質代謝異常、肥満等、生活習慣病の治療、予防のための食事指導を担当。講演会、レシピ提案、監修等を通し、広く情報を発信。著書に『糖尿病のための糖質オフごちそうごはん』(アスペクト社)をはじめ、『糖質オフのおいしいお菓子とパン』(アスペクト社)、『満腹ダイエット』(プレジデント社)の監修等がある。