ドイツ30種株価指数、シカゴ大豆先物(5月限)

FXオンラインジャパン アナリストチームが最新のデイリーレポートをお届けする。欧州通貨同盟(EMU)の加盟国の中でもっとも経済規模の大きいドイツ経済が、回復基調を強めている。

昨日発表されたドイツの欧州経済研究所センター(通称ZEW)による4月の景況感指数は、7か月ぶりの上昇を記録。特に期待指数では53と3月の44.5から大幅に上昇した。

市場では世界的な景気回復力の強さを意識しており、ドイツ30種もこの恩恵を受け、ここ1カ月で約3%上昇している。また、ギリシャ問題によりユーロが下落したことで輸出産業へ追い風が吹いたことも、力強い企業業績改善の理由として挙げられる。

このようにマクロで景況感が改善の兆しを見せる中、市場の一部で言われているドイツ経済に対する懐疑的な見方が更に後退する観測も強まっており、本日もファンダメンタルズの改善を背景に、更なる上値追いの展開になるか注目される。

尚、本日の材料としては、アイスランドの火山噴火に伴う空港の全面閉鎖が徐々に解除されていることを受け、航空株とそれに関連するセクター、旅行やエネルギー関連での買い戻しが入るか、また、米企業決算内容を受け、自動車関連株が底堅い値動きとなっており、独自動車メーカーへの期待感が高まっていることに注目したい。

チャート(1時間足)を見ると、先週末にサポートラインを一気にブレイクしたため、調整シグナルが点灯したかに思われた。しかし、6140ポイントレベルでダブルボトムを形成すると反転。その後は、6200ポイントのラインを中心に高値圏でボックスレンジを形成していることがわかる。目先、下は6140ポイントが底堅いことが確認済みとなっているため、このまま6300ラインレベルトライとなる公算が高まっている。

仮に6300ポイントラインが意識され反落した場合は、6200、6140そして6100と下落ポイントを想定しておきたい。

一方、日足ベースで見ても、25日MAを完全に上抜けていることから、ドイツ30種の力強さがうかがえる。

このまま上追いの展開となりレジスタンスライン6300ポイントを突破した場合、どこまで上昇するか。ポイントはリーマン・ショック前の2008年9月上旬の高値圏6480-6500ポイントが浮上する。2年前と同じようにレジスタンスゾーンを形成するかが注目される。

ドイツ30種株価指数 1時間足

ドイツ30種株価指数 日足

シカゴ大豆先物(5月限)

米農務省(USDA)が昨日取引終了後に発表したクロップ・プログレス(4/18日時点)によると、トウモロコシの作付け進捗率は、前週比で16ポイント上昇の19%となった。これは前年同期の5%、過去5年平均の9%を大きく上回る結果となった。詳細を見ると、イリノイ州34%(前年同期1%)、インディアナ州17%(同0%)、アイオワ州19%(同5%)など主要生産地の作付けが予想以上に良好であることが判明したため、トウモロコシは面積拡大見通しを達成する可能性が出てきた。この結果は、今後、大豆面積の拡大を限定させることになるため、大豆相場に対しては強材料になることを示唆している。

現在の状況は、先物相場では外部環境主導で上値を抑えられている。しかし現物相場では、上昇基調を維持している。このギャップの背景には、海外向け輸出が堅調なことに加え、農家の売りが控えられており、足元の品薄感が強まっていることが挙げられる。

更にここにきて、旧穀買い・新穀売りのブル・スプレッドを仕掛ける動きが弱まる一方で、足元の需給逼迫感を背景に当限主導(5月限)で上値を試す流れに変りつつある。世界期末在庫の水準などを考慮すると、少し過熱感を感じるところはあるが、現物主導の上昇相場となっているだけに買い妙味ありと思われる。一時的になるかもしれないが、10ドル台乗せの可能性を想定しておくべき相場へと向かっている。

今度はテクニカル面から見てみよう。

まずは日足だが、一目均衡表の雲は既に抜けている。その後は、4月に入ってからの上昇で、いったん一息入れたがっているように上値が重くなりつつある。仮に反落した場合は、38.2%戻しの972.88セント及び転換線の971.19セントあたりが目標になるのではないか。 また週足では、変則の三角持ち合いから若干上に離れてはいるが、移動平均線(52週)に頭を押さえられている。このMAで上値を抑えられれば、上記の下落ポイントを意識した展開になる可能性が出てくる。逆に上抜けた場合は、相当上値は軽くなり、1074セントも見えてくるとは思うが・・・…。

シカゴ大豆先物(5月限)日足

シカゴ大豆先物(5月限)週足