FXオンラインジャパン アナリストチームが最新のデイリーレポートをお届けする。市場の関心は今週末の米雇用統計へ移っており、本日21:15に発表予定の3月ADP雇用統計及び22:45の3月シカゴ購買部協会景気指数が注目されている。

前者のADP雇用統計は前回値マイナス2万人からプラス4万人まで急速に改善するとの予想。後者のシカゴ購買部は62.6から61.0へ低下するとの見通しとなっている。仮に市場予想通りなら、雇用関連指標重視ということで米株やドルを下支えする可能性が高い。また、シカゴ購買部は総合でこそ低下しているとの予想だが、構成指数である雇用Indexで前回値56.1を上回るようならポジティブ要因として材料視されるだろう。

また、米雇用情勢と共にFRBが注視している米消費動向に関しては、すでに上向いていることが昨日の消費者信頼感や米チェーンストア週間売上高指数で確認済み。特に後者は再び500ポイントラインを上抜け、502ポイントまで上昇しており、前年比で3.2%上昇している。

仮に米景気回復期待感や本日の指標発表の結果リスクテイクが継続した場合、株式での上値追いのバロメーターとなるのが、やはりドルと商品相場の動向だろう。特に、AUDUSDの動向には注目したい。というのも、本日の豪住宅や小売関連指標でことごとく市場予想を下回ったにもかかわらず、0.91台を維持している。

市場では、はやくも来月6日のRBA理事会で政策金利引き上げに悲観的な見方も囁かれ始めたようだが、イースターを控えたポジション調整の材料とされた感が強い。実際、対円では86円をうかがう展開となっており、市場では金利先高観を背景にした根強いAUD買いが継続している。このような動向が商品相場にも波及すれば、本日も資源系が米株を牽引するシナリオが浮上する。しかし、イースターを控え参加者が減っていくため、目立った上げ幅とはならいだろう。

尚、テーマ性では各業種でのM&A関連の話題やスマートグリッド、そしてアップル(AAPL.O)が新たに市場へ投入する「iPad」が大手小売量販店ベスト・バイ(BBY.N)でも購入可能になったことから、期待感先行の根強い買いが入る可能性もある。消費動向が強まっているだけに、話題性のある商品や小売株の動向にも注視したい。

AUDUSD 30分足