東京・秋葉原UDXにて24日、アニメ『ブラック★ロックシューター』製作発表会が行われた。会場には、アニメ版のプロデューサーを務める安藝貴範氏(グッドスマイルカンパニー代表取締役社長)と、監修の山本寛氏(Ordet代表取締役)、監督の吉岡忍氏(Ordet所属)の3人のほか、キャストの花澤香菜と沢城みゆきが出席した。

アニメ『ブラック★ロックシューター』キービジュアル

<『ブラック★ロックシューター』とは?>
新進気鋭のイラストレーター・huke氏がネット上に投稿したオリジナルキャラクター。このキャラクターに着想を受けたsipercellのryo氏が、音声合成ソフト「初音ミク」を用いて曲を作り、huke氏自らがイラスト・映像編集を行った動画を「ニコニコ動画」で発表。
ニコニコ動画上では累計の再生数が2010年3月現在、290万回以上を記録するなど、曲自体が多大な反響を得ると共に、キャラクターにも注目が集まるようになり、グッドスマイルカンパニーからは1/8スケールフィギュアが発売されている。
2009年夏には、Ordet(オース)によるアニメ化決定公開の情報が発表され、同年9月30日には公開に先駆け、スタッフによりイメージ拡張を目的としたパイロット映像がDVDとBlu-ray Discにて発売された。

製作発表会では、まずはじめに安藝氏が「ここから始まるプロジェクトにぜひ協力していただきたいと思います。本日はよろしくお願いします」と挨拶。続いて山本氏が「監修となっていますが、実際は監督の吉岡に全面的にゆだねて、僕はなるだけ手を出さないようにしております(笑)」とコメントすれば、吉岡氏は「『ブラック★ロックシューター』でなかったら、おそらく監督というものをやらなかったかなと思っております。それぐらい愛情を注いで作っていますので、みなさん、よろしくお願いします」と力強いコメントを述べた。

左から吉岡氏、山本氏、安藝氏

なお、司会者から『ブラック★ロックシューター』のファーストインプレッションについて尋ねられた3人は、「最初の1枚目のイラストは見ていないんですけれど、ニコニコ動画に上がったのを、ウチのスタッフが『これいいよ』と教えてくれて、見た瞬間に"これはいいものだ"と感じました」(安藝氏)。

「僕のキャリアで言うと、こういったかっこいい、ソリッドでエッジの効いた路線をやったことがなかったので、吉岡に任せました(笑)。彼は以前から『ブラック★ロックシューター』を知っていてハマっていたので、理解が深いほうがいいだろうということで、全面的に任せた次第です。この作品は、本当に僕にはないセンスが満ちているなと感じましたね」(山本氏)。

「僕はもともと初音ミクやsupercellとかの曲が好きでして、『ブラック★ロックシューター』が発表されたときはファンのひとりでした。今もそれは変わりないんですけど、まさかこっち(制作)の立場になるとは、という感じです。僕もどちらかというとソリッドな作品は得意ではないのですが、本当にこれは挑戦したいなと思いました。」(吉岡氏)とコメント。

その後、アニメ『ブラック★ロックシューター』の概要が説明された。アニメ『ブラック★ロックシューター』は約50分のアニメーション作品で、huke氏のイメージをOrdetが解釈し、現在制作中とのこと。あわせて作画監督も兼ねる松尾祐輔氏によるキャラクターデザインと、「東京国際アニメフェア2010」にて展示される描き下ろしイラストも公開された。

「ブラック★ロックシューター」(CV: ?)

「デッドマスター」(CV: ?)

アニメ『ブラック★ロックシューター』最新映像より

なお、会場にはhuke氏よりビデオレター、ryo氏からは祝電という形でメッセージが届けられていたので紹介する。

<huke氏からのメッセージ>
『ブラック★ロックシューター』原作者のhukeです。自分の書いた1枚のイラストに曲がついて、そこからさらにフィギュア化までされ、さらに「デッドマスター」までフィギュア化が決まりました。そして高さ10メートルの「ブラック★ロックシューター」フィギュアを出すと安藝さんが言っていました。そんな『ブラック★ロックシューター』がアニメ化となりました。自分自身作品を見たいスタッフの方々での制作なので、なるべく完成まで見ないで、みなさんと同じタイミングで見たいなと思っております。まだ、完成したものをお見せできるまで少しお待たせすると思いますが、楽しみにしていただければと思います。では、アニメ『ブラック★ロックシューター』をよろしくお願いします。

<ryo氏からのメッセージ>
いよいよ製作発表ですね、本当におめでとうございます。音楽のほうは現在、鋭意制作中でして、BGM・歌ともに気合いの入ったものをお届けできると思いますので、ぜひそちらもお楽しみに。

上記のように音楽はアニメ版もryo氏が担当する。これに関して山本氏が、「もともとの動画がfukeさんとryoさんの音楽のタッグというか、語弊があるかもしれませんが、"せめぎあい"みたいなものがこの作品を昇華しているんだなと感じていました。今回、またryoさんに入っていただけるということで、今度は弊社Ordet側の作画陣とryoさんの音楽のせめぎあいになるんだなとワクワクしています」とコメントした。