Freescale Semiconductorは、自動車内の電子化に伴うエネルギー管理、安全性および電磁環境適合性(EMC)に関する堅牢性などの課題に対応する次世代System Basis Chip(SBC)を発表した。

同SBCデバイスは、マイクロコントローラ(MCU)を駆動するパワー・マネジメント・モジュール、車載ネットワークと接続するトランシーバ・インタフェース、ならびにバッテリ寿命を節約する低消費電力モードが統合されている。

今回発表されたのは高速CANトランシーバを搭載したSBC「MC33904」、高速CANトランシーバと1個のLINトランシーバを搭載したSBC「MC33905S」、高速CANトランシーバと2個のLINトランシーバを搭載したSBC「MC33905D」の3製品で、同社のSMARTMOS技術をベースとしたSBCデバイス。いずれも、ボディ制御モジュールや照明モジュール、ドア/シート・モジュール、シートベルト・プリテンショナ、燃料/ウォータ・ポンプ、グロー・プラグ、ローエンド向けエンジン・コントロール・システムなどのボディ・アプリケーションに対応するほか、セーフティやパワートレイン関連のアプリケーションにも対応する。

高速CANトランシーバを搭載したSBC「MC33904」のパッケージイメージ

また、ユーザ設定が可能なフェールセーフ機能でシステムの機能安全を支援し、高いレベルのESD保護機能と優れたEMC特性により、厳しい車載要求に対応することが可能だ。加えてAEC-Q100認証も取得していることから、外部コンポーネントなしでもEMC/ESD耐性が高く、部品数の削減も可能であるほか、同社の波形整形技術により、エミッションノイズも低レベルに抑えることができる。

MCU電源用電圧レギュレータ出力(Vdd)は5Vまたは3.3V/ 150mA(電流経路分割オプション使用時:最大出力電流300mAまで対応)で、補助負荷用電圧レギュレータ出力は5Vまたは3.3V、高速CAN専用電圧レギュレータ出力は5Vとなっている。

また、ウェイクアップ管理および周期検知を搭載しているほか、低消費電力モード時はVddオフで標準15μAを達成している。

なお、3製品ともにすでに出荷を開始しており、1万個購入時の1個あたりの参考価格は、それぞれ1.54ドル、1.78ドル、2.08ドルとなっている。