日本国内のGoogle検索で、1ヵ月間の検索ボリュームがその前の1ヵ月と比較して大幅に増えた「急上昇ワード」をランキングで紹介するこの企画。その月に"注目された"ものを並べると、世の中の動きがちょっと見えてくるかも……?

2010年1月のGoogle検索急上昇ワード

■通常検索ランキング
順位 ■パソコン検索 ■モバイル検索
1位 ハイチ キングダムハーツ
2位 ipad 急上昇
3位 後藤 理沙 アバター
4位 ホーム オブ ハート 盛りヘア
5位 年賀状 当選 番号 猫ジャンプ
6位 岩崎 弥太郎 ツイッター
7位 センター 試験 彼女 手料理
8位 デュラララ 小悪魔メイク
9位 bbb10 賃貸
10位 後藤 真希 ダイエット
■イメージ検索ランキング
順位 ■パソコン画像検索 ■モバイル画像検索
1位 haiti トマト鍋
2位 後藤真希 辻希美
3位 松坂南 叶姉妹
4位 櫻井翔 後藤真希
5位 キングダムハーツ キングダムハーツ
6位 yui 小向美奈子
7位 佐々木希 前田敦子
8位 いきものがかり 佐々木希
9位 avatar ベッキー
10位 黒川智花 黒川智花
■その他の検索ランキング
順位 ■ニュース検索 ■動画検索
1位 ハイチ haiti
2位 センター試験 ハモネプ
3位 haiti 紅白歌合戦
4位 朝青龍 木村カエラ butterfly
5位 高校サッカー ベッキークルーエル
6位 小沢 木村カエラ
7位 jal ワンピースネタバレ
8位 日本航空 ガキの使い
9位 apple 稲垣早希
10位 箱根駅伝 akb
※本データは、Google Zeitgeistのアルゴリズムに基づき、日本における検索傾向を集計したものです。前月から検索量が増加しているクエリを抽出しています。提供/Google

世界中から注目された「haiti」、今は……

今回は2010年1月の急上昇ワード。この月、最も注目されたのは、正月ムードの過ぎた頃に突然伝えられた大災害だ。現地時間の1月12日(日本時間の13日早朝)に起きた、ハイチ共和国の大地震。マグニチュード7.0規模の地震が発生したことが報じられた後、詳細な被害の状況がなかなか伝わってこなかったため、情報を求めてネットで検索した人が多かったのだろう。ニュース検索でもトップに「ハイチ」、3位に「haiti」がランクイン。画像検索・動画検索でも同じように「haiti」がトップとなっている。

全世界の検索傾向を「Google Insights for Search」で調べてみると、当然ながら2月12日を期に「haiti」の検索量が爆発的に増え、14日にはピークに達している。ただ、それ以前の検索量が少ないため正規化された100の値がどれくらい多いものなのかがわかりにくい。そこで、2月に五輪開催を控えた都市バンクーバーとの検索量を比較してみよう。

全世界を対象に「haiti(青色)」と「vancouver(赤色)」の検索量を比較

このように、「haiti」の検索量の最大値を100とすると、それに対する「Vancouver」の最大値は開会式が行われた2月13日の55となっている。Google検索において、ハイチはバンクーバーの約2倍近い注目度を集めていたことになる。


同じ時期に検索量が増加したことを示す「注目検索クエリ」には、上位に「terremoto」という単語が入っている。これはスペイン語で"地震"を表す言葉だ。ハイチの隣国であるドミニカ共和国、海を隔てて隣のキューバでスペイン語が使われているためと思われる。また、「red cross」も急激に増加していることから、地震の情報を探すと同時に救援活動についても調べた人が多かったようだ。

その後の検索量は、大きな余震の報道などに合わせて一時的な増加が見られる他は、時間が経つにつれ減少している。しかし、震災から1ヵ月が経っても水や食料、住居、医療などの支援が十分に行き渡ることが難しい様子が報じられている。遠く離れた場所の災害は日を追って意識されにくくなるのが常だが、国際赤十字やNPO団体などは今も継続的な活動を行っているのだ。検索でそれを調べ、ネット経由の寄付でそれを支援することなら、今すぐにでも可能だ。

おすすめリンク

外務省 各国・地域情勢「ハイチ共和国」 : ハイチの略史から渡航に関する安全情報などを掲載
Twitter NPO団体「国境なき医師団」のアカウント : ハイチを含め、世界での活動の状況をツイート
NPO「Think the Earthプロジェクト」 : 救援募金・寄付受付団体の情報を掲載

この他、月末ギリギリに登場した「iPad」は、それまでほとんど検索されたことがなかったために、相対的に急激な上昇率を得たことがわかる。1月から放送が開始された大河ドラマ「龍馬伝」に強烈な印象を持って登場した「岩崎弥太郎」も、おそらく「龍馬」に比べて前月の検索量が少なかったのだろう。また、ニュースでは「JAL」「日本航空」が繰り返し報じられ、動画では放送終了後に「紅白歌合戦」が上位に入り、年末におけるネット界隈の盛り上がりを裏付けたことなどが特徴的だ。

モバイル検索はカップルの危機を救えるか

一方のモバイル検索では、1月9日に発売されたPSP向けゲーム「キングダムハーツ」がランキングトップ。検索してみると、関連検索に「回避コード」という言葉が挙がっている。まあ、"あちら側"に情報を置いてくれる人さえいれば、何でも簡単に知ることができる世の中である。パソコン、モバイルの画像検索でも上位にランクインしており、こちらは壁紙やフィギュア、またコスプレ写真などが挙がっているようだ。

7位の「彼女 手料理」は、何やらGoogleの検索ストーリーCMを思わせるようなワードだ。モバイルで検索してみると、トップに出てくるのはマイコミジャーナルの連載コラム「ちょっとダメ系? 恋するB型男子」の第22回「彼女の手料理がまずいときの正しい対処法」だった。そうか、こういう反応をされたら料理がまずかったということなのか……。この他、「彼女の手料理への感想で好かれるには?」という男性向けのコンテンツの他、「彼女に作ってもらいたい手料理ランキング」「男の胃袋をつかめ!」など女性が参考にしたいコンテンツが見られた。

モバイル画像検索では「トマト鍋」が人気急上昇。なぜ通常の検索でなく画像検索で急上昇したのだろう。料理名の検索はレシピ探しだと思われるが、写真からレシピを選びたいということなのだろうか。実際に検索してみると、具が大きいミネストローネのようなものから、土鍋にトマトがゴロゴロ浮いている未体験ゾーンまで様々。確かに、写真から自分の好みに合いそうなレシピを探すのはなかなか良い手段かもしれない。それにしても、昨年のカレー鍋に続いて今年はトマト。黄色くなったり赤くなったりと、土鍋もなかなか大変な時代である。

おすすめリンク

彼女に作ってもらいたい手料理ランキング : 世の男性がそれほど肉じゃが好きとは思えないのだが……
カゴメ「甘熟トマト鍋 鍋用スープ」 : 美味しそうな写真は調味料メーカーのもの。シメはオムライス!