日本CA インフラマネジメント・ソリューション営業部 営業部長 川崎晃司氏

日本CAは2月22日、ITシステムのサービス品質管理を支援する新ソリューション「サービス・アシュアランス・マネジメント・ソリューション」(以下、SAMS)を発表。その一部を構成する製品として、インフラストラクチャ障害管理製品「CA Spectrum Infrastructure Manager r9.1J」(以下、Spectrum)と、インフラストラクチャ性能管理製品「CA eHealth Performance Manager r6.1.1J」(以下、eHealth)の2つをリリースした。

SAMSは、さまざまな種類のハードウェアが稼働するITシステム環境において、保証した品質レベルでのサービス運用を支援するソリューション。具体的には、サーバ、ストレージ、ネットワーク機器などの稼働状況やリソース使用状況を可視化するほか、閾値を超えた際にアラートを出したり、将来の性能劣化やリソース不足を予測したりすることができる。物理環境のみならず、仮想環境も監視対象に含められる点が大きな特徴で、オンプレミスとクラウドが連携するような環境でも、エンド・トゥー・エンドでの稼働状況の可視化が可能になるという。

SAMSの概要

今回リリースされた2製品のうちSpectrumは、各種ハードウェア/仮想マシン間のつながりや稼働状況をグラフィカルなモデルで表示できる監視製品。r9.1Jというバージョン名だが、初めての国内発売となる。

日本CA インフラマネジメント・ソリューション営業部 テクニカルマネージャ 菊地崇宏氏

さまざまな技術やプロトコルに対応しており、ノード間のリレーションを細かく監視することが可能。新版では新たにMPLS(Multi-Protocol Label Switching)もサポートした。また、ネットワークの全体像を表示するだけでなく、ノードごとのつながりを確認することもできるほか、障害発生時には根本原因となるノードをグラフィカルな画面上で特定できるなどの特徴も備える。

さらに、考えられる障害/問題とその対処方法が1万組登録された「オペレーションビュー」と呼ばれる障害対処用の画面も備えている。このビューは個別にカスタマイズすることが可能で、CAでは「利用者側で確認しながら、必要に応じて推奨アクションを修正してほしい」(日本CA インフラマネジメント・ソリューション営業部 テクニカルマネージャ 菊地崇宏氏)と説明している。

Spectrumの概要

一方、eHealthは、事前予測に基づいたプロアクティブなパフォーマンス管理を実現する監視製品。各ハードウェアの状態データを蓄積しており、そのデータに基づいて将来のリソース利用率などを予測することができるため、障害が発生する前に危険な部分を察知することができる。

新版では、仮想環境をサポートしたほか、対応ハードウェアを拡充。さらに「ライブレポート」と呼ばれる機能が追加され、性能状況をリアルタイムに把握できるようになっている。

eHealthの概要

なお、両製品は今回から連携が強化され、eHealthのパフォーマンス予測機能がSpectrumのモデルベースの画面上で利用できるようになっている。また、ベースとなるSpectrumの画面については、「ユーザーが見てもわかるほど直感的なインタフェースを実現している」(菊地氏)と言い、CAでは「ユーザーにもこうした画面を提示することで、リソース使用状況を意識しながら利用してもらえるため、より高度なシステム運用が実現できる」(菊地氏)と説明している。

Spectrum、eHealthの価格と出荷時期は以下のとおり。

製品名 参考価格(税抜) 出荷開始日
CA eHealth Performance Manager r6.1.1J 2870万円(管理対象が1000デバイスの場合) 2010年2月22日
CA Spectrum Infrastructure Manager r9.1J 2870万円(管理対象が1000デバイスの場合) 2010年2月26日

現在対応する仮想環境はVMwareのみだが、他の製品にも順次対応していく予定だという。