1~2月にかけて、一気に増加する皮膚トラブルの一つがしもやけだ。しもやけは寒冷・加温刺激の繰り返しによって局所の循環障害が誘発され、皮膚が赤くなったり、腫れたり、あるいは紅斑ができる疾患。一般的なしもやけは、指先が赤紫色で樽柿のように腫れるT型と呼ばれる。一方、紅斑を主とする紅斑型(M型)と呼ばれるしもやけは、腫れずに赤みが強くなるだけなので、しもやけとは気づかず放置し、重症化してしまうケースがあるという。

しもやけは、住環境や暖房設備の整っていなかった昔の皮膚トラブルと思われがちだが、実は現代だからこそ起こりやすいと、左門町皮膚科院長の西川武二先生は指摘する。特に近年、温暖化の影響からか日々の気温変化が大きく、急に暖かくなる日や寒くなる日が短期間に繰り返されている。例えば2009年2月では、前日の最低気温から約8度上昇し、その3日後には約12度も下降した。西川先生によると、前日との温度差が激しければ激しいほど、血管の収縮回数が増え、血行が悪くなり、しもやけが起こりやすくなるという。

また、エアコンなどの暖房設備が整っている現代では、家の中がとても暖かく、室内と外気温との差が大きい。そうした状況の下、西川先生は「交通網が発達し、以前は通勤圏内でなかった郊外から都心へ通勤している人が増えていることも、しもやけの一因」だと説明する。例えば、湘南新宿ラインを利用し、宇都宮から都心に通勤した場合、宇都宮と東京では最大約9度もの気温差(2009年1月~2月)があったとしている。

では、しもやけを防ぐ対策はあるのだろうか。西川先生によると、手や足、末端の血流を良くしておくことが大切とのこと。クリームを塗る場合は、血行改善効果のあるビタミンE入りのものに効果が期待できる。また、昼間にこまめにクリームを塗ることが難しい場合は、夜の就寝前に集中的にケアしたい。また、肌を濡れた状態で放置しておくと、皮膚の温度が低下してしもやけが起こりやすくなる。運動や暖かい室内で汗をかいた場合はこまめに汗をふきとることが望ましい。また、温度調整しやすい服装を心がけ、帰宅後は指先や足先をマッサージするなど、徐々に体を温めてからお風呂に入ったり、ストーブにあたったりするとよい。

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そして、意外としもやけになりやすい部分が耳たぶ。耳あてやマフラーで覆い、冷たい外気から守ろう。身体の末端を冷やさないようにするのが大切だ。