英Reutersは2月8日(中国時間)、中国政府が国内のハッカー養成サイトを閉鎖し、同メンバーの3名を逮捕したと、地元メディアの報道を伝えている。

同件を伝えているのは地元・武漢のメディアであるWuhan Evening News (武漢晩報)。記事によると、「Black Hawk Safety Net」と呼ばれるWebサイトではハッキング技術の伝授やマルウェアの提供を行っており、その会員数は1万2,000名にも上るという。同サイトでは情報入手において手数料等が発生しており、これが収入源になっていたものとみられる。武漢東部の黄岡市の警察が検挙に乗り出していたという。サイト自体は昨年11月末に閉鎖され、その際に犯罪行為の疑いで3名のメンバーが逮捕されたようだ。だが、同紙がいまのタイミングでなぜ2ヶ月以上前のニュースを報じたのかは不明だ。

Reutersの報道によれば、サイバー犯罪のエキスパートであるJames Mulvenon氏の2008年の米国議会での証言で、武漢はハッカー養成所であるCommunication Command Academyの本拠地だと認識されている。中国のハッカーらは攻撃で国内外の複数のアドレスやサーバを使っているほか、ハッキング行為自体が一般化されており、これが攻撃源の特定を難しくする原因となっている。またBlack Hawk Safety Netのようなサイトや環境が整っていることも、こうしたハッキング行為の助長につながっているようだ。

先日のGoogleを含む複数サイトへのハッキング事件では、こうした集団が攻撃の一助になっていた可能性がある。一方で中国政府は政府としてのハッキングへの関与を否定しており、こうした行為を「許されぬもの」という趣旨のコメントを出している。