米Facebookは1月21日(現地時間)、米オレゴン州中部のプラインビル(Prineville)に同社初のデータセンターを設営すると発表した。米Business Journalなどの報道によれば、敷地面積は14万7000平方フィート(約1万3700平方メール)で、総工費は1億8,000万ドル。200人の関係者が1年にわたって設営にあたり、その後35人の従業員が常駐する形になるという。

Prineville Data Centerの外観。写真はモデリングを利用したイメージ図

米FacebookのJonathan Heiliger氏によれば、当初1台のサーバでハーバード大学内SNSとしてスタートしたFacebookは、ユーザーの増加とともにサーバを増強し、現在では他社のサーバと一緒に共用データセンター内にコロケーション形態でシステムが設置されている。だが現時点で3億5,000万人以上の会員を抱えるFacebookはすでに世界最大級のSNSであり、新サービスへの対応も含め、次のステップに移るための転換点に達したと自前データセンター設置の経緯を説明する。

Prineville Data Centerの関連のトピックや情報、各種写真は、Facebookの専用ページで確認できる。同社ではデータセンターの設置にあたって、環境への影響最小化とコスト削減を理由にした省電力技術を盛り込んだ最新建築であることをセールスポイントにしている。1つが冷却システムで、外気を水の気化熱で冷却することで内部を冷やす構造になっており、消費電力や水の消費が通常のエアコン冷却型データセンターに比べて少なくなるという。またプラインビルは山間部であり、夏以外は全体に涼しい気候となっている。そのため通年で60-70%の期間は外気を直接取り込む機構を取り入れており、より少ない電力消費での運用が可能だという。サーバなどの設備が発生させる熱もリサイクルされ、事務所設備の暖房に利用される。このほか、特許出願中の無停電電源装置(UPS)向けの新技術により、従来比で約12%の節電効果を持ったUPS運用が可能になるという。

データセンター建設地の様子