東京証券取引所は1月4日、富士通の協力の下、次世代株式売買システム「arrowhead」の本番稼働をスタートしたと発表した。同システムは、5ミリ秒の注文応答時間、3ミリ秒の情報配信スピードを実現する。

東京証券取引所では、「高速性」、「信頼性」、「拡張性」、「透明性」というコンセプトに基づき、新たな株式売買システムの開発に取り組んできた。

高速性としては、売買・市場情報の両面においてミリ秒レベルのスピードが達成されており、また信頼性を実現すべく、注文・約定・注文板などの取引情報を3重化したサーバ上で処理している。

拡張性については、常にピーク値の2倍のキャパシティを確保し、必要に応じて1週間程度で拡張が可能な状態にある。稼働時点では、過去のピーク値の約4倍のキャパシティが確保されている。

arrowhead稼働後に導入された新売買制度「連続約定気配」の表示画面

そのほか、同システムではFLEX Standardで複数気配情報を上下5本から8本に拡大することに加え、新サービス「FLEX Full」で全銘柄の注文情報をリアルタイムで配信するなど、提供する情報の大幅拡充により、市場の透明性を向上している。

同システムは主に富士通のハードウェアとミドルウェアで構成されており、サーバに富士通製IAサーバ「PRIMEQUEST」、OSにRed hat Linuxが採用されているほか、新たに開発された超高速データ管理ソフトウェア「Primesoft Server」が組み込まれている。

arrowheadのシステム構成