顧客に鍛えられて磨かれた信頼性

ジュニパーネットワークス マーケティング本部 エンタープライズソリューションマーケティング マネージャー 小川直樹氏

WAN最適化製品のキープレーヤーであるジュニパーネットワークス(ジュニパー)がNetScreen社を買収してUTM市場に参入したのは2004年。NetScreen製品はSSGシリーズとして継承され、日本市場での出荷台数でトップシェアを争うポジションを獲得している。

同社はネットワークベンダーとして、主要顧客に大手通信事業者を持つ。「ネットワークを止めない」ということに対する厳しい要求に応えるため、いい意味で顧客に叩かれ続けてきた。このことが同社の製品に対する信頼性の根拠となっており、このDNAはUTM製品にも生かされているという。

「ファイアウォール/UTMならSSG」

国内では販売会社の間で「ファイアウォール/UTMといえばSSG」という認識が深く浸透しているそうだ。UTMの分野では「ベンダー名よりもNetScreenというコア技術の方が幅広く認知されている」とのことだが、「他社が製品価格を設定する際に参考にする」というように、同社はマーケットリーダー的な存在となっている。

この数年はプレーヤーも増え、製品ごとの差別化が難しくなってきている状況ではあるが、「そんな状況になればなるほど信頼性と実績は重要視される」とし、自社製品に対する自信を深めているそうだ。

今後の主力はJUNOSベースに

同社は「あくまでもネットワーク機器ベンダー」というスタンスのもと、「次世代スマートネットワークソリューション」をいう戦略を掲げている。これは、運用効率の面でITプロフェッショナルから高い評価を得ている同社のネットワーク製品のベースとなっているJUNOS技術にUTM機能を実装するという考え方だ。この方針を具現化したものが「SRXシリーズ」であり、今後はUTMという定義にとらわれず、「セキュアルーター」という概念をベースに、ネットワーク、セキュリティ機能をJUNOSに統合していく。

SRXシリーズ製品は販売代理店から「安すぎるのでは?」という声が出るほど価格性能比が高いとのことだが、今後はさらに、同社の得意分野であるWAN最適化やVoIP、IPv6など、ニーズに基づいた機能を柔軟に拡張できるようにしていく考えだ。

また、同社はすでに「Junos Space」というSaaSプラットフォームを発表し、SDKやAPIを公開している。今後は一層JUNOSブランドを拡大し、ネットワーク、セキュリティ関連の製品・サービスを展開していく。

主な製品
SSGシリーズ、SRXシリーズ(セキュアルーター)

『出典:システム開発ジャーナルVol.12(2009年12月発刊)』
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