「VB100」を4年連続で取得

フォーティネットジャパン株式会社 シニアリージョナル マーケティングマネージャー 菅原継顕氏

フォーティネットの創業は2000年。比較的若い企業ではあるが、同社の特徴はハードウェアからソフトウェアまで、すべて自社で開発を行っているという点にある。世界には30ヵ所の事業拠点があり、従業員は全社で1,200名以上。そのうち700名以上がエンジニアとして働いている。

そして同社は、取得が難しいとされているICSAで5件(ファイアウォール、アンチウイルス、IPS、IPSec VPN、アンチスパム)の認証を取得し、ウイルス対策の世界的権威とされている英「Virus Bulletin誌」の「VB100%賞」を7年連続で受賞している。多機能ゆえに焦点がぼやけてしまいそうなUTMだが、コア要素に対して注力することで、これをそのまま製品の競争力に結び付けている形だ。

同社のUTMに搭載されたアンチウイルス機能には、パケットフィルタリングの仕組みに特徴がある。これは、「パケットを一旦ファイルとして再構築し、仮想的にヒューリスティック・スキャンを行った後に解凍して再度パケットに戻すものです」とのことだが、パケットそのものをチェックする方法に比べ、ウイルススキャンの精度が大幅に向上するという。

やはりセキュリティ対策機器である以上妥協すべき要素ではないはずだが、同社もこの点は「UTM選びの重要なポイント」と指摘する。

専用ASICでパフォーマンスを実現

一般的にアンチウイルス機能を「オン」にすると、UTMのネットワーク機器としてのパフォーマンスは低下するが、同社の(ミッドレンジ以上をターゲットとした)UTMには製品には、ネットワーク専用のプロセッサ(FortiASIC NP)と各種機能を実現するためのコンテンツプロセッサ(FortiASIC CP)が搭載されている。

そのため、アンチウイルス機能を「オン」にしても、ソフトウェアベースで機能を実現する同一価格帯の競合製品と比べて、圧倒的な「速さ」を実現しているという。

管理をラクにするライセンス形態

同社の特徴の1つとして、サブスクリプションの形態が比較的柔軟な点がある。各種機能がOEMによる調達であれば、契約形態は調達先のライセンスポリシーに縛られることになるが、同社の場合は先述のように機能のすべてが自社開発であるため、この制約を受けることがない。

こうした背景もあり、同社は「機能の個別契約も可能ですが、フル機能をリーズナブルに使える『バンドル版』契約をお勧めしています」とのことだ。

主な製品
FortiGate-50Bシリーズ/FortiGate-60Bシリーズ/FortiGate-620B/310B/110C/200A/224B/300A/400A /500A/800など

『出典:システム開発ジャーナルVol.12(2009年12月発刊)』
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