Analysis and Research of the latest developments in Technology, Business Models, and Mergers and Acquisitions.

The 451 Group - 451 CAOS Theoryにおいて451 Group survey highlights user concerns over Oracle’s proposed ownership of MySQLのタイトルのもと、OracleのSun Microsystems買収にともなってMySQLの開発主体および支援グループがOracleに移行することに関してどう考えるかを問う調査結果の概要が発表されている。CAOSユーザコミュニティに対して実施された調査で、提案されている取り引きをどう考えているかや、現在のデータベースの利用状況などが調査されている。

調査結果を閲覧するには登録が必要。ただし、ヘッドラインとしていくつかの結果は紹介されている。掲載されているヘッドラインは次のとおり。

調査結果のヘッドライン
調査時点では347の調査対象のうち82.1%がMySQLを使っているが、2011年には78.1%が、2014年には72.3%までそのシェアは低下するとみられる
OracleによるMySQL買収がシェア減少の原因のひとつとなっている。OSSユーザの15%が、MySQLユーザの14.4%がOracleに買収された場合にはMySQLを使いそうにないと答えている
MariaDBの利用率は2011年には3.5%に増え、2014年には3.7%に増えるとみられる
すべてのユーザのうち57.9%が、MySQLユーザの63.9%がそのままMySQLを使いつづけるとしている
Oracleに対するネガティブな姿勢はMySQLの将来の計画に対して特に影響を与えているようだが、Oracleデータベースの採用率は19.3%から2011年には19.6%へ、2014年には21.6%に増えるとみられる
PostgreSQLの利用も増えるとみられる。現在は27.1%のシェアだが、2011年には30.5%へ、2014年も同程度のシェアになるとみられる
OSSユーザの6.3%およびMySQLユーザの5.6%はMySQLがOracleに買収された場合にもMySQLを選ぶと回答している
回答者の17.6%およびMySQLユーザの16.8%はOracleがMySQLを保持することを許可されるべきだと回答している
回答者の32.6%およびMySQLユーザの34.0%はOracleはMySQLを独立したファウンデーションへ譲り開発を継続させるべきだと回答している
回答者の4.3%%およびMySQLユーザの3.9%はOracleに対しMySQLを別のベンダへ売却するように強制するべきだと回答している
回答者の13.8%%およびMySQLユーザの12.3%はMySQLに何がおこっても気にしないと回答している

Oracleは4月20日(米国時間)、Sun Microsystemsの買収発表した。この買収に懸念を示す向きは多い。特に欧州委員会はOracleのSun買収にMySQLが含まれていることに懸念を示しており、再調査をするなど買収に決着がつかない状況が続いている。すでに同社はMySQLの開発を継続すると発表しているが、ユーザや関連機関の懸念は払拭されきれていないようだ。

The 451 Groupの調査結果からは、MySQLがシェアを落とし、かわりにMariaDBとPostgreSQLのシェアが増加するのではないかという予測がみてとれる。またユーザの過半数がMySQLを使いつづけると回答しているものの、OracleがMySQLを保持すべきと考える回答は2割よりも少なく、3割から4割がベンダへの売却やファウンデーションへ譲ることを望んでいることがわかる。

MariaDBはMySQLの創業者のひとりであり、MySQLの主要開発者だったMichael Widenius氏が開発しているデータベース。MariaDBを採用するかもしれないとした割合は3%と全体としては少ないシェアながらも、MySQLの代替データベースとしてもともとMySQLを開発していた代表的なデベロッパのプロダクトを代替製品として取り上げる声が多かった点は興味深い。