「糸井さん、今すぐ新宿のパセラまで来てください」
ある週末の金曜日。編集部にて真面目に仕事をしていると電話がかかってきた。相手は同僚の千葉。通称「チバちゃん」である。平日の昼間からカラオケ屋への呼び出し。なにやら事情がありそうだったので、仕事を中断して新宿へ向かう。今日はtvkほかにて放送中のTV番組「アニメTV」の撮影だったはずだが……。
※弊誌・千葉は同番組の「DVD倶楽部」というコーナーでナビゲーターを務めている
指示された部屋の扉を開けると、なにやら異様な雰囲気。部屋の中にいるのは、弊誌・千葉だけではなかった。
弊誌・糸井「中川さん、何やってるんですか?」
部屋の中では、ゲームメーカー・アルケミストの中川プロデューサーとタレントの前島祥子が、飲めや歌えの大騒ぎ。そんな中で、弊誌・千葉はポツンと座って、リモコンの操作をしたり、タンバリンを叩いたりしている……。
中川P「遅いぞ、糸井!」
あれ? 酔ってる? エビアンのペットボトルを片手に、普段はすごく温厚で優しい中川プロデューサーがなにやらキレている。なぜか横にいる前島祥子まで半ギレ状態。おかしいなあ、初対面のはずなのに……。
二人の包囲網をかいくぐり、部屋の外に弊誌・千葉を連れ出す。
弊誌・糸井「何があったんですか?」
弊誌・千葉「いや、聞いてくださいよ、糸井さん」
どうも、その日の「アニメTV」の収録に、中川プロデューサーと前島祥子がゲストで登場し、弊誌・千葉と番組でパーソナリティを務める声優の藤田咲を相手にPSP『ひぐらしデイブレイクPortable MEGA EDITION』で対決を行ったらしい。
弊誌・糸井「で、勝ってしまった、と」
弊誌・千葉「勝っちゃったんですよ。それがどうも納得がいかなかったようで、再戦させろって騒ぎ出して……」
弊誌・糸井「どこのクレーマーですか。だいたい、咲ちゃんはもう帰ったでしょ?」
弊誌・千葉「もちろん。こんな茶番に付き合ってくれるわけないじゃないですか」
弊誌・糸井「それで、何で私が呼び出されるんですか?」
弊誌・千葉「糸井さん、中川さんから対決企画の話って聞いてませんでした?」
弊誌・糸井「対決企画? ……あっ」
弊誌・千葉「糸井さんがすっぽかしたって言って怒っているんですよ」
弊誌・糸井「すっぽかしたって人聞きが悪い。スルーしただけですよ」
弊誌・千葉「なお、悪いじゃないですか!」
現在、さまざまなメディアを巡って行われている対決企画の一環として「アニメTV」に乗り込んだ中川プロデューサーと切り込み隊長・前島祥子だが、まさか負けるとは思っていなかったらしく、ぶつけどころのなくなった怒りの矛先を、我々に向けてきているようだ。
弊誌・糸井「対決なんだから、勝った負けたというのは仕方のないことじゃないですか」
弊誌・千葉「いや、咲ちゃんはほとんど初見でのプレイだったので……」
弊誌・糸井「ああ……、それはキビしいですね……」
いたくプライドを傷つけられたという中川プロデューサーが、いきなり扉を開く。
中川P「何、ごちゃごちゃと喋っとんねん。さっさと部屋に入りまんねん!」
弊誌・糸井「何で、そんな中途半端な関西弁なんですか。わかりましたよ、やればいいんでしょ、やれば」
勝っても負けても結局は大変なことに……
どうも我々が「マイコミジャーナル」チームとして対戦しないと、中川プロデューサーの気がおさまらないらしい。前島祥子も羽入コスプレでやる気満々だし。
弊誌・糸井「2対2の対戦プレイでいいんですね。ああ、面倒くさい」
中川P「やる気だせ!」
さらに怒りの火に油を注いでしまった。
弊誌・千葉「糸井さん、いろいろな意味で面倒くさいので、さっさとやってしまいましょうよ」
前島祥子「面倒くさいって何ですかー!」
さらに今度はガソリンまで注いでしまったらしい。
というわけで対決となったのだが、プレイが始まった瞬間、二人の目の色が変わった……。
初見の藤田咲にも負けてしまうようなヘッポコチームに負けるはずが無い。そんな油断が勝負を決めてしまった。私自身もほとんどプレイしたことがないのに、頭から舐めてかかったのが悪かったらしい。テレビの本番で負けた腹いせ & プロデューサーの意地ということもあって、ガチでプレイする中川プロデューサー。対決企画のためにかなりの練習を積んできたという前島祥子は、そのすべてをなぜかこのタイミングで開花させようとしている。そして、何もできないままに勝負は幕切れを迎える。
「アーッハッハッハッハ」
中川プロデューサーの高笑いが部屋中をこだまする。勝ち誇る前島祥子。コイツは下手だと見抜かれた私をフルボッコにし、早々に勝利を決めた二人が、我々の前に仁王立ちする。
弊誌・糸井「何、本気出しているんですか!」
中川P「はぁ? 何言ってんですか。接待プレイなんてテレビだけですよ。ぷぷぷ」
我々に勝った勢いで、テレビで負けたことまで、接待プレイでごまかすらしい。横をみると、前島祥子が女王様のように、弊誌・千葉に詰め寄っている。
前島祥子「ウーロン茶まだ来ないの? 次の曲を早く入れなさいよー」
弊誌・千葉「……はい、よろこんで」
何かが壊れ出している。弊誌・千葉は、負けたショックではなく、二人の痴態に頭を抱えている……。ああ、やらなければ良かったこんな企画。さらに増長する二人に、弊誌・千葉がキレないことを祈りつつ、私はこっそり部屋を出た。
中川P「糸井さんはちょっとこっちに座って!」
見つかった。ああ、なんか怒っている……。
中川P「ほら、悔しいでしょ。何ならもう一回やってあげてもよろしくってよ」
弊誌・糸井「いや、別にいいです」
中川P「はい? ベ、別にあなたのためにやってあげるわけじゃないんだからね!」
弊誌・糸井「いや、そのツンデレは使い方が間違っています。とりあえず千葉はこのまま置いていきますので、私はこれで。あ、お会計はちゃんとアルケさんのほうでお願いしますね」
中川P「ムキー!!」
何かさらに怒らせてしまったらしい。本当に勝っても負けても面倒くさい人たちだ。向こう側では、高飛車キャラ全開の前島祥子が、まるでオヤシロさまにでもなったかの勢いで弊誌・千葉を責めている。とはいえ、男にからまれるよりはいいだろう。うらやましいぐらいである。
しかし、弊誌・千葉はドSである。ドSに対しての女王様プレイは危険極まりない。
弊誌・千葉「ふざけんなよ、お前ら!」
案の定、怒りが爆発した。こうなったらもう止まらない。私も止める気がない。なにやらマネージャーさんが謝っている。
今晩は長くなりそうだ……。
* * *
今回の記事は、PSP『ひぐらしデイブレイクPortable MEGA EDITION』の発売を記念して行われた「道場破り企画」の一環であり、勝負の結果とマネージャーさんの土下座以外はすべてフィクションです。
なお、弊誌・千葉と声優・藤田咲が、見事に中川プロデューサー&前島祥子組を撃破した「アニメTV」。tvkではすでに放送済みだが、シーエスGyao!やAT-Xにて再放送が行われるので、気になる人はそちらもチェック! 放送予定などの詳細はこちらのサイトにて。
ゲームタイトル | ひぐらしデイブレイクPortable MEGA EDITION |
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対応機種 | プレイステーション・ポータブル |
ジャンル | 3Dタッグ格闘アクション |
発売日 | 2009年11月26日 (発売中) |
価格 | 9,240円 (限定BOX) 6,090円 (通常版) |
CEROレーティング | B (12才以上対象) |
(C)竜騎士07・07th Expansion/黄昏フロンティア/Alchemist |