パシフィックビジネスコンサルティング(PBC)は、マイクロソフトの中堅・中小企業向けERPソリューション「Microsoft Dynamics NAV 2009」をベースに、PBCが日本語を行った上で追加開発を加え、保守メンテナンス業務向けにテンプレート化した「NAV-MAINTENANCE」を発表した。

販売開始は2010年1月を予定している。

「NAV-MAINTENANCE」では、製品販売後の追跡管理機能により、無償修理対応(保証期間内)であるか有償修理対応であるかの自動判別、部品交換履歴、修理対応履歴(故障個所・現象の詳細を含む)の記録・確認が可能で、保守契約管理、リソースや修理部品の価格情報管理及びそれらに関わる請求手続き等、会計データを含めた情報を一元管理することができる。

サービス管理フロー

また、要員管理から保守機器に関する部品情報、保守サービス情報など、CRMが行っている領域もカバーする。

「NAV-MAINTENANCE」の提供機能は以下の通りだ。

・業務機能可視化フロー
・サービス品目(機器)管理
・サービス注文/保守管理
・トラブルシューティング管理
・故障個所/修理対応履歴管理
・エンジニア作業割当/派遣管理
・作業報告Excel連携機能(オンライン/オフライン対応)
・作業状況報告メール送信機能
・保守契約/価格管理
・貸出・レンタル機器管理
・アクセサリー管理
・外注管理
・保守履歴照会画面
・保守関連帳票・レポート

サービス品目ワークシート

サービス品目リスト

この製品は、関連会計データを一元管理できることを大きな特徴としており、今後は国内の法人だけでなく、海外進出をはかる日本企業向けに、現地法人との統一ソリューションとして提供する予定だ。

Microsoft Dynamics NAVは、グローバルで販売しているが、日本においてはパートナーが独自にローカライズを行い、販売を行っている。もともとは、デンマークのNavision社が開発したものだが、2002年にマイクロソフトが買収した。

PBCは、Navision社がマイクロソフトに買収される前から、シンガポールNavision社とパートナー契約を結んでおり、買収後は、マイクロソフトとパートナー契約を再締結している

同社では今年の7月、流通・小売業界向けに「Microsoft Dynamics NAV 2009」をベースとした「NAV-RETAIL 2009」を発表しているが、「NAV-MAINTENANCE」はこれに続く第2弾となる。今後は貿易業向けの「NAV-TRADING」や製造業向けの「NAV-MANUFACTURING」をリリースする予定だ。

PBC 取締役 戦略事業推進室室長の吉島良平氏は「ERP等により迅速な意志ができる企業とできない企業では業績に差が出てきている。我々は、敷居の高いERPに風穴をあけるため、マイクロソフトのERPをベースに製品提供を行っている。Dynamics NAVは、Outlookライクの操作性で機能を直感的に把握することができ、Excel、Word、Outlookとも連携できるROIの高い製品だ。システム屋さんだと言語の壁を乗り越えるハードルが非常に高いので、アジア地域のバイリンガルの国々のコンサルタントと連携しながら、アジアのトップになりたい」と述べた。

また、マイクロソフト Dynamicsビジネス本部 本部長 中西智行氏は「Dynamicsビジネスは、一昨年から昨年にかけて約倍の勢いで成長している。とくにCRMが堅調で、2.5倍となっており、これは現在の世界同時不況において、企業さんが戦略投資のため顧客とのリレーションを強化しようとしている背景がある。我々のビジネスの基本は、パートナービジネスモデルであり、我々が提供するDynamicsというプラットフォーム上に、パートナーさんに業種別のソリューションを開発してもらうことによってビジネスが成立している。今後は、このソリューションをマイクロソフトとお付き合いがあるお客様にも紹介していきたい」と述べた。

同時接続ユーザーが10の場合の概算価格は、Dynamics NAVライセンスが31万3000円、Dynamics NAVユーザーライセンスが313万円、Dynamics NAVのオプションが30万円から、日本語化基本パックが150万円、日本語画面+マニアルが50万円、保守・メンテナンスモジュールライセンスが300万円となっている。