11月18日から20日まで、千葉幕張メッセ展示ホールにて、国内外の放送局技術者、番組制作会社、放送設備導入会社、CATVおよび放送技術に関連するユーザーを対象とした「Inter BEE 2009(第45回 国際放送機器展)」が開催された。

放送のデジタル化の波が世界中で急速に広がる中、今年のInter BEEでは過去最多の出展者数816社(うち海外466社)が、HDや新たなサービスを見据えたソリュー ションなど様々な展示、デモストレーションを繰り広げた。本レポートでは、映像部門にフォーカスし最新の映像機器などを中心にお届けしていこう。

キヤノン

キヤノンでは、日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)により、「ハイビジョン映像伝送システム」用カメラとしても採用されたHDビデオカメラレコーダー「XH G1」をベースに、現在開発中のファイルベースビデオカメラ(左)を参考出品。仕様の詳細は一切未定であるが、汎用的なメモリスロットの利用を検討しているとのこと。また、報道、スポーツ中継、空撮/車載などで大きく威力を発揮する世界初の防振機能を搭載したHDTV対応ポータブルズームレンズ「HJ15e×8.5B KRSE-V」(右)も登場した

パナソニック

P2HDやAVCCAMなどの最新機種が多数ラインナップされたパナソニックブースでは、2眼を備えた3Dカメラレコーダーをはじめ、3Dモバイルエディター、3Dポータブルレコーダーなど、3D映像をより手軽に撮影し取り扱うための新しい「3D Production System」(左)や、「新型P2ドライブ」などが参考出品された。また、フルHD高画質と多彩な機能を小型・軽量なボディーに凝縮したメモリーカードカメラレコーダー「AG-HMC45」(右)、コンパクトカメラヘッド「AG-HCK10G」、メモリーカードポータブルレコーダー「AG-HMR10」などの新製品についても、実際の使い勝手などを直接確かめることができた

ソニー

同ブース内の一際巨大なディスプレイでは、同社Sony PCLにより開発された3Dカメラで撮影された映像をリアルタイムで投影。来場者は3Dメガネを装着することにより視聴することで、立体感のある最新3D映像をその場で手軽に体験することができた。また、記録媒体にメモリースティックPROデュオを採用した業務用AVCHDビデオカメラ「NXCAM」の参考出品や、デジタルトライアックスカメラの新商品「HXC-100」シリーズ(右)、「HSC-300」などの実機展示も行われた

アビッドテクノロジー

最新Avid映像ソリューションから、信頼性の高いリアルタイム編集、フィニッシング、マスタリングなどのビデオ編集が行える「Avid Symphony Nitris DX」(右)の新機能とサムスン社製3Dディスプレイ(Checkerboard対応)を活用した、ステレオスコーピック3D映像の編集と表示の実演が行われた。これから活躍の場が増えそうな3D映像の編集をより手軽かつダイレクトにオペレーションできるシステムは、今後も益々重要度を増していくことだろう

トムソン・カノープス

最近人気の一眼レフムービーなどの編集に対応するノンリニアビデオ編集ソフトウェア「EDIUS Neo 2」(左)。AVCHD、HDVなどで撮影した映像の編集にも対応し、ハイビジョンビデオ編集を手軽に楽しめる。ブルーレイやH.264ファイルへの高速出力が可能な「FIRECODER Blu」を付属した「EDIUS Neo 2 with FIRECODER Blu」や、HDMI出力ボードが付属した「EDIUS Neo 2 with HDSPARK」もラインアップする(右)

オートデスク

毎年同ブース恒例となっている「Autodesk User Demonstration」を開催。ILMのInfernoアーティストChad Taylor氏、TBSテレビの越智忍氏、Motion Design U2の園川励志氏・岩元忍氏、TYOテクニカルランチの寺田友紀氏・山崎祐資氏など、第一線で活躍するユーザーによる貴重なデモンストレーションだけに、多くの来場者から関心を集めていた

ミューズテクス(Matrox/logickeyboard)

Matrox Electronic System社の新製品「MXO2 LE(Max)」は、同社MXO2の機能はほぼそのままに、サイズと価格をさらにコンパクトにしたモデル。国内では H.264ファイルを高速に書き出す「Max」機能を備えたMXO2 LE Maxモデルとして発売されるとのこと(左)。また、「Apple Final Cut Pro」や「Adobe Premiere Pro」など、各種アプリケーションのショートカットを、キーに印刷したキーボード「logickeyboard」も好評を博した。日本のユーザーの為に特別に製作されたというApple Keyboard(日本語)をベースにした製品も見受けられた(右)