10月29日に新バージョンへと移行した『ニコニコ動画(9)』。

「原点回帰」をテーマに様々な機能の追加や仕様変更が行われたが、具体的に使い勝手がどのように変わったのかよくわからないというユーザーも多いことだろう。

そこで今回、ヘビーユーザーである記者が、実際に新バージョンのニコニコ動画を使用して感じたことを余すことなく記していきたいと思う。なお、ニコニコ動画運営チームは現在もユーザーの声を拾いながら細かな仕様変更を加えているとのことなので、今回レビューした内容が大幅に変わることもあり得る。本記事をご覧になるタイミング次第では情報が古くなっている可能性もあるが、ご了承いただきたい。

ニコニコ動画(9)になって、どこが変わったの?

その1 : とりあえずマイリスト機能

お気に入りの動画をブックマークしておける「マイリスト」機能はこれまでにもあったが、今回新たに「とりあえずマイリスト機能」が追加された。

従来のマイリストとの最大の違いは、500件(一般会員は100件)を超えると古い動画から順番に削除されていくという"押し出し式"であること。そのため、これまでのようにリストが一杯になるたびにいらない動画を削除して……という手間がなくなり、より手軽にマイリストできるようになった。

ただし通常のマイリストのようにテーマを決めて分類し整理するといったことはできないので、あくまでも"一時的なブックマーク"であることには注意したい。

とはいえ、動画をいちいちジャンル別に分けたり整理したりしないライトユーザーにとっては、単純にマイリストの容量が増えただけと考えても良さそうではある。

その2 : 動画再生後メニュー

新バージョンのニコニコ動画では、動画の再生が終わった後、次のような画面が出るようになった。

「とりあえずマイリスト」への登録の有無を選択し、「する」「しない」のいずれかを選ぶと、さらに次のようなメニューが出現する。

「動画を見終わった後、何をすればいいのかわからない」というニコニコ動画初心者には嬉しい機能ではあるが、その反面ヘビーユーザーとしては「動画のループを設定している場合はどうなるの?」という懸念があるかもしれない。というのも、ニコニコ動画の投稿作品には、ループさせることを考えて作られているものが少なからずあるからだ。

そこで試しにループをONにして再生してみたところ、動画再生後メニューは出現せず、これまで通りの仕様で動画がループ再生された。ヘビーユーザーほどループをONにしていると思うが、この機能追加による弊害はないので安心してほしい。

その3 : ニコレポ&ウォッチリスト

自分がニコニコ動画で何をしたか、という行動履歴が一覧として表示される機能が「ニコレポ」である。ここに残る履歴は、「マイリストへの動画の追加」「動画の投稿」「投稿した動画がランキングに入ったときの順位報告」「入会しているチャンネルやコミュニティの最新情報」などであり、あとから自分の行動を振り返ることができる。

また、自分以外の「ニコレポ」を「ウォッチリスト」に入れておくことで、他のユーザーの行動履歴を閲覧することも可能だ。例えばお気に入りの動画投稿者のニコレポをウォッチリストに入れておけば、新作が投稿された時などにそれをいち早く知ることができる。

……と思ってさっそく何人か登録してみたが、ニコレポに関してはユーザーのほとんどが「非公開」を選択しており、あまり役に立たなかった。中には公開しているユーザーもいるだろうが、多くは自分の行動履歴を隠したいと考えているようだ。ニコレポを公開することによるメリットがはっきりしない限りは、この傾向が続くと見ていいだろう。

ちなみに新バージョンへの移行後、ニコレポはデフォルトで「公開」になっているので、非公開にしたい方は忘れずにマイページから設定しておこう。

その4 : カテゴリの再編&ランキングの仕様変更

動画のカテゴリと、ランキングの仕様も新バージョンになって一変した。

まず6つのカテゴリが追加され、「チャット」や「テスト」といったあまり使われていなかったカテゴリについては廃止された。さらに、複数のカテゴリをまとめた「カテゴリグループ」というシステムが新設され、ランキングページが次のようなレイアウトに変わった。

各カテゴリグループ別に20位までのランキングが表示され、グループ名をクリックするとさらにそれぞれのカテゴリ別に詳しいランキングを見ることができる。

これまでヘビーユーザー御用達だった「毎時総合ランキング」については、「何かカテゴリグループ名を適当にクリック」→「右上の『表示内容の変更』から『毎時』を選択」→「『ランキングの設定を保存する』をクリック」で、固定化することができる。この仕様変更には疑問の声も上がっているが、知人のライトユーザー(数日に一度アクセスして2、3個動画を見る程度)に尋ねたところ、「カテゴリ別になっている方が見やすいし、20位まで表示されれば十分(そんなに数は見ない)」と言っていたので、結局は人それぞれカスタマイズして使うのがベストなのだろう。ちなみに記者は、光の速さで以前のランキング表示形式に戻して使っている。

その5 : 世界の新着動画&タイムシフト&生放送アラート

投稿された新着動画をカテゴリ別にとりあげて紹介する生放送「世界の新着動画」が、新バージョンスタートと同時に始まった。

ここでは30秒ごとに「引き続き視聴するかどうか」のアンケートが実施され、「いいえ」が過半数を超えると再生が停止、次の動画に移るという仕組みになっている。

実際にこの生放送がきっかけでブレイクした動画も数多く出てきていることから、面白い動画が埋もれてしまうことを防ぐという意味では一定の効果を上げていると言えそうだが、その一方で「生放送中に付けられたコメントが元動画にも反映される」「心ないコメントが付くことも多い」「紹介されたくない場合、カテゴリタグを意図的に付けないことでしか回避する方法がない」といった問題が生じているのも事実だ。

趣旨には賛同するし、記者自身も楽しく見てはいるが、"自分の趣味に合う動画が必ず流れるわけではない"ことから動画のジャンルによってはコメントが激しく荒れることもある。このあたりの対策については、今後の機能改善に期待したいところだ。

生放送といえば、「タイムシフト」と「生放送アラート」という2つの新機能も面白い。

「タイムシフト」はいわゆる"録画"であり、これにより生放送を自分の好きな時間に視聴することが可能になった。

また、「生放送アラート」は自分が入っているコミュニティの生放送が始まった際に、別の動画を視聴していても上部のバナーにお知らせが表示されて教えてくれるという機能で、「ニコ生アラート」と合わせて使うと地味に便利だ。

その6 : 外部プレーヤー

これまでにも一部のウェブサイトやブログには実装されていたが、とうとう全ての外部サイトにプレーヤーが開放された。これにより、どのサイトからでもアカウントなしでニコニコ動画を視聴することができる(ただしコメントはできない)。

ブロガーはもちろん、記者のようにプライベートでタグを手打ちで書いている者にとっては待ちに待った機能である。

*  *  *

――以上が、記者が新バージョンを使ってみた感想である。これまでに何度となく行われてきたバージョンアップと比べても、今回はかなり大きな変更だったと感じた。またこれは推測だが、ニコニコ動画は全体的に「ライトユーザー重視」「生放送重視」という方向に進んでいるようだ。

他にもプレミアム会員の動画投稿時のビットレート制限がなくなったり、RSSリーダーの仕様が変わったりと細かな変更点はあるのだが、ひとまず本記事では多くのユーザーに影響が出そうな点に絞ってレビューした。

新バージョンの全体像をつかむ参考になれば幸いである。