三洋電機は10月29日、創エネ(太陽電池)・蓄エネ(二次電池)・省エネ(業務用機器など)技術を融合したシステムで、工場・学校・店舗といった施設のCO2排出量削減やランニングコスト削減を提案するエナジーソリューション事業に参入することを発表した。

同事業は、太陽電池で発電した電力や割安な深夜電力を二次電池に蓄電し、その蓄えた電力を効率的に活用できるようにコントローラー(パワコン)で管理して、ショーケース・空調・照明などにエネルギーを供給することで、CO2排出量の削減と省エネによるランニングコストの削減をはかることをねらっている。

早期事業化に向けて、「容量・高電圧リチウムイオン電池システムの開発」、「実証実験による商品開発の加速」、「商品特性に応じた他社とのコラボレーション」、「推進体制の構築」が進められる。

大容量・高電圧リチウムイオン電池システムは、来春に発売が予定されている。また、実証実験のために、加西事業所(兵庫県加西市鎮岩町)新工場に約50億円を投資して、最新鋭のシステムが導入された。

加西新工場には、太陽電池(1MW)、蓄電池(リチウムイオン電池1.5MW)、ソーラーLED街路灯、ソーラー駐輪場などを導入するとともに、各建物には空調や照明機器などを連動させたエネルギーマネジメントシステムを導入する。こうした取り組みで、同工場では年間で約2,480トンのCO2排出量削減が図れる予定。

加西新工場の新システム

推進体制としては、11月1日付けで、技術開発機能や営業戦略機能、品質管理機能、サービス開発機能などを統括する専門組織「エナジーソリューション事業統括部」の立ち上げが行われ、当初70人規模の組織としてスタートする。

同社は、同事業を工場や高層ビルといった大規模なものから、店舗・学校・住宅といった中・小規模なものまで幅広く展開していく構えで、2015年度には事業規模1,000億円を目指す。