Ubuntu開発チームのSteve Langasek氏は10月22日(英国夏時間)、Ubuntu Linuxの次期バージョン「Ubuntu 9.10(開発コード"Karmic Koala")」のリリース候補(RC)版の公開を発表した。デスクトップ版、サーバ版、ネットブック版(Ubuntu Netbook Rmeix)のほか、派生バージョンのKubuntu、Xubuntu、Edubuntu、Mythbuntuなども同時にアップグレードされた。「このRC版は完璧で、安定しており、どんなユーザが試しても問題ない」とLangasek氏はその仕上がりに自信を表明している。

デスクトップ版の最大の特徴は、9.04に比べて高速化が図られたこと。とくに起動時間は大幅に短縮している。起動に関してはスピードだけでなく、「ルック&フィールが大きく変わり、ユーザは新しいブート体験を実感できる」としている。デスクトップ環境はGNOME 2.28を採用、デフォルトIMはTelepathyフレームワークを使ったEmpathyとなっている。また、アプリケーション管理はGNOMEのAdd/Removeから「Ubuntu Software Center」に置き換えられた。

サーバ版ではクラウド対応が本格化し、Eucalyptus(Amazon EC2互換のOSSプロダクト)コンフィグレーションをインストール時にサポート、UEC(Ubuntu Enterpise Cloud)の仮想マシンイメージが提供される。またAmazon EC2上で利用できるUECイメージも用意されている。セキュリティについてはOSSのセキュリティモジュール「AppArmor」をデフォルト採用、内部/外部からの攻撃に対するプロテクションを強化している。

ネットブック版では、Intel Atomへの最適化と他のx86デバイスとの互換性維持の両方が図られている。その他、インタフェースの改善や起動の高速化も図られている。また、今回はじめて、Kubuntuのネットブック版もリリースされることになる。

なお、いくつかの既知の問題のうち、X環境で「Ctrl + Alt + Backspaceが効かない」が残っているが、これはXキーマップ(XKB)を設定することで解決できるという。

  1. 「System」→「Preferences」→「Keyboard」を選択
  2. 「Layouts」タブを選択し、「Layout Options」ボタンをクリック
  3. 「Key sequence to kill the X server」を選択、「Control + Alt + Backspace」をイネーブルにする

"Karmic Koala"ことUbuntu 9.10の正式版は10月29日に公開予定だ。

Ubuntu 9.10 RCのISOイメージはUbuntuのサイトなどから入手できる。既存のバージョンからのアップグレードはこちらのページを参照のこと。