米Microsoftは10月19日(現地時間)、「Microsoft Visual Studio 2010」ならびに「Microsoft .NET Framework 4」の両ベータ2版の提供を発表した。まずMSDN会員向けの提供となるが、10月21日には一般向け提供も開始される。最終的には2010年3月22日の正式版発売を予定している。このほか、Visual Studioのエディション構成の発表やMSDN会員を対象にしたキャンペーン告知も行われている。

Visual Studio 2010 (VS 2010)や.NET Framework 4 (.NET 4)の新機能等についてはすでにレポートで何度か紹介されているが、基本的にはWindows 7世代のOSや新技術のサポート、機能拡張やブラッシュアップが中心となっている。

例えばVS 2010ではWindows 7やSharePoint 2010向けの組み込みツールサポート、SilverlightやWindows Presentation Foundation (WPF)向けのドラッグ&ドロップ結合、新技術サポート(ASP.NETモデルビューコントローラ、UML、Expression、マルチコア)などが行われている。また.NET 4ではClient Profileの使用でフレームワークのサイズ自体が最大81%縮小できるため、展開時の負担が少ないというメリットがある。

そのほか.NET 4では、Dynamic Language Runtimeでの言語サポートの拡大のほか、ミドルティア向けの高パフォーマンスアプリケーションサポートが強化され、シンプル化されたフレームワークの階層構造で3.5以前のバージョンとの互換性も実現されている。

また、以前まで「Visual Studio Team System」の名称でチーム作業向けの管理スイートが別バージョンとして分離されていたが、VS 2010では下位エディションも含めて下記の3つに統合され、シンプル化している。

・Microsoft Visual Studio 2010 Ultimate with MSDN
ライフサイクル管理を含めた最上位のスイート製品

・Microsoft Visual Studio 2010 Premium with MSDN
開発に必要なツールセットをすべて包含する中間エディション

・Microsoft Visual Studio 2010 Professional with MSDN
基本的なツールセットが包含された下位エディション

これらエディションにはすべてMSDNサブスクリプションが付与されており、Windows Server 2008 R2やMicrosoft SQL Server 2008、Microsoft Officeなどを含むほとんどのサーバプラットフォーム製品を利用可能なライセンスがついてくる。

また既存のMSDN Premium会員には、期間限定でより上位のVS 2010エディションを購入可能なキャンペーンが用意されている。MSDN Professional会員が安価にPremiumにアップグレードするためのオプションも用意されている。

このほかMicrosoftでは、MSDN会員向けのサービス拡充も発表している。内容は下記の通り。

・Visual Studio Team Foundation Server 2010の無限利用アクセス権(ただし正式リリース後)
・Windows Azureプラットフォーム上での開発
・1サブスクリプションごとに年間40時間のe-ラーニングサービス

また前述のように、MSDN会員以外でも21日以降はベータ2版へのアクセスが可能になる。詳細はMSDNのページを参照のこと。