STMicroelectronicsは、カメラ付き携帯電話で通常使用される標準1/4インチ光学フォーマットを採用した、5MピクセルCMOSイメージ・センサ(CIS)のロードマップを発表した。標準ダイ・パッケージとTSVパッケージを用意。標準パッケージは、COB(Chip-On-Board)センサ接続とディスクリートな光学部品を組み合わせたカメラをサポートしているほか、ウェハ・レベル・カメラなどを実現するTSVは、次世代カメラ付き携帯電話やその他のデジタル・イメージング製品におけるコスト低減や品質向上を実現できるという。すでにサンプル出荷が開始されている。

サンプル出荷が開始された「1/4インチベイヤ・センサ」

この新しいセンサは、RAWベイヤ・センサやSoCセンサといったオプションのほか、EDoF(Extended Depth of Field:強化被写界深度)機能やオートフォーカス・ドライバ内蔵カメラ、高速データ・インタフェース、従来のカメラ組み立てに加え、ウェハ・レベル・カメラのパッケージ技術に対応しているため、設計の柔軟性を向上させることが可能だ。

新製品の1つである1/4インチベイヤ・センサは、ホスト・システムまたはスタンドアロンISPによって画像処理を行う携帯電話のピクセル密度を高めることが可能。ロードマップにあるその他のセンサは、フォーカス機構用にボイス・コイル・モータ(VCM)ドライバを集積することで、オートフォーカスが必要とされるアプリケーションをサポートすることが可能だ。

またパラレル・インタフェースを搭載しているため、ほとんどの携帯電話アプリケーション用プロセッサと直接接続することができるほか、MIPI(Mobile Industry Processor Interface)アライアンスが策定したシングル・ラインとデュアル・ラインの1GHzカメラ・シリアル・インタフェース(CSI-2)、およびSMIA(Standard Mobile Imaging Architecture)グループが策定した650Mbps Compact Camera Port(CCP2)を搭載しているため、小型フォーム・ファクタによるメリットだけでなく、高速画像転送を促進する高データ転送速度にも対応している。

なお、同社のロードマップでは、引き続き2009年末に向けて新製品が発表される予定となっている。同センサ・ファミリの基盤となっている65/45nmピクセル工程は、1.4μmのピクセル・サイズを実現でき、6.5mm×6.5mm以下のサイズで5mmのモジュール高さを実現した5Mピクセル・カメラを製造できるのが特長。また、SN比を最大化する独自のピクセル分離技術を活用することが可能であり、高画質を実現することができる。