野村総合研究所は、今年3~4月に「富裕層アンケート調査」および7~8月に「金融商品についてのアンケート調査」を実施。その結果から、金融危機をきっかけに個人の保有する金融資産の総額や運用に対しての考え方が大きく変化していることが明らかになったと発表した。

同調査における金融資産階層の分類
マス層 本人と配偶者が保有する金融資産が合計3,000万円未満
アッパーマス層 同3,000万円以上5,000万円未満
準富裕層 同5,000万円以上1億円未満
富裕層 同1億円以上5億円未満
超富裕層 同5億円以上

それによると、全ての階層において金融資産の時価評価額が減少しており、特に富裕層では約3割と大きなダメージを受けている。また、自分で管理・運用する資産の構成については、金融危機以前に実施した調査と比較して全階層で「現金・預貯金」の割合が上昇していることがわかった。

2008年9月から2009年3月までの金融資産の時価評価額の増減率

金融危機以降の資産運用については、「元本割れする可能性のある金融商品のリスクを以前よりも気にするようになった」と回答した人がいずれの階層でも半数以上に上り、金融危機をきっかけに運用の安全性が重視されるようになった傾向が見られる。特にアッパーマス層では約8割に達している。

2008年9月以降、元本割れする可能性のある金融商品のリスクを、以前よりも気にするようになった割合

また、この状況において「フォローに不満な金融機関がある」と回答した人はマス層で約3割、アッパーマス層で約5割、富裕層ではそれぞれ7割に達している。同社では、個人の資産管理・運用に関する考え方がすぐに以前の状態に戻るとは限らず、金融機関は顧客からの期待の変化を的確にとらえ対応していく必要があると提言している。