Winny開発者を巡る控訴審で大阪高裁が無罪判決を言い渡した

社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)は8日、P2Pソフト「Winny」開発者・金子勇氏に対する大阪高等裁判所の無罪判決について、「判決にかかわらず、被告には社会的・道義的な責任が生じている」とのコメントを発表した。

ACCSの声明は、大阪高裁が8日、Winnyの開発者である金子勇氏が著作権違反幇助に問われていた裁判で、無罪判決を言い渡したことを受けたもの。同氏は2004年5月、京都府警により著作権違反幇助の容疑で逮捕、2006年12月に京都地裁で罰金150万円の有罪判決を受けた。その後、控訴し、大阪高裁で審理が進められていたが、8日、無罪判決が言い渡された。

この判決についてACCSは、「意外であり疑問を生じますが、詳細な判決内容の確認・検討をしたいと考えます。なおACCSは、今回の判決にかかわらず、被告には社会的・道義的な責任が生じているものと考えます」とコメント。また、著作権保護の仕組みが整備されない状況下で、P2Pソフトによる権利侵害行為が蔓延することに懸念を示した。