広告収入と部数激減に悩まされる米国出版業界では、老舗のニュース雑誌「Time」を中心に連合を組み、電子出版の世界に活路を見出そうとしている。英Reutersが10月2日(現地時間)に報じている。

世界中の出版社が雑誌の新たな販売形態を模索中

Reutersによれば、米Time Warnerの出版部門であるTime Inc.は米国の複数の出版社と共同で"電子ニューススタンド"と呼ばれる仕組みを構築し、米Amazon.comのKindleや間もなくの登場が噂される米Appleのタブレット型デバイスなど、電子ブックリーダーをターゲットにした配信を来年2010年にも行っていく計画だという。Timeとのジョイントベンチャーに参加予定の出版社として、「Cosmopolitan」で有名な米Hearst Corp.、「Vogue」「Wired」で有名な米Conde Nastなどの名前が挙がっている。

提供形態は月間または年間ベースでのサブスクリプションでコンテンツを開放する形になるとみられ、出版社に対して安定した収益をもたらすのが狙いと考えられる。これは過去10年以上にわたってオンラインで記事配信を行ってきた出版社や新聞社が、もはやWebでコンテンツに課金するのは困難だと判断した結果だとみられる。