ワコムは24日、新ユーザーインタフェース(UI)としてマルチタッチ機能を搭載したタブレット「Bamboo」シリーズとして、「Bamboo Touch」「Bamboo」「Bamboo Fun Small」「Bamboo Fun Medium」「Bamboo Art Master」を発表。発表会を開催した。価格はオープンプライスだが、ワコムストア価格は「Bamboo Touch」が6,980円、「Bamboo」が9,980円、「Bamboo Fun Small」が12,980円、「Bamboo Fun Medium」が19,980円、「Bamboo Art Master」が20,980円。全機種10月3日発売。

今回発表した新Bamboo。用途によりアプリケーション同梱版からペンレス版まで幅広く用意している

ワコム 代表取締役社長 山田正彦氏

発表会では、ワコム 代表取締役社長 山田正彦氏が新タブレットに関するUI戦略を説明した。

生活の一部にデジタルが入り込み、多機能化が進んでいる。しかも、PC、携帯電話、液晶テレビとそれぞれが独自のUIを進化させてきた。これらデジタル機器の最新技術を使いこなすことは難しいが、この壁を越えることで、誰にとっても使いやすいものとなる。特定の人のものからすべての人のものへ、机の上からあらゆる場所へ、複雑で慣れが必要な機器から直感的に容易な操作ができる機器へ、自分を表現する難しいものから楽しいものへのパラダイムシフトが始まっているとした。

その中でワコムが目指すことは、まさにデジタル機器の多機能化がもたらした壁にチャレンジするということ。そのために最新機能だけでなく、人とコンピュータをつなぐ新UIの研究を進めてきた。その第1弾が直感的な機能を果たす"Touch"で、これが新しい表現をするためのツールとなる。従来からの線を描くための"Pen"と新しい直感的な操作をもたらす"Touch"を組み合わせた新UI"Pen&Touch"が、「Bamboo」シリーズで単なるポンティング&クリック以上の操作性と価値を創出するとした。

「Bamboo」シリーズの新UI"Pen&Touch"が、単なるポンティング&クリック以上の操作性と価値を創出するとした

ワコム オペレーションズ統括 営業本部 プロダクトマーケティング部 GM 大山和子氏

続いて、ワコム オペレーションズ統括 営業本部 プロダクトマーケティング部 GM 大山和子氏が、新UI"Pen&Touch"を採用した新製品のコンセプトと製品戦略を説明した。

"Pen&Touch"はやりたいことを思いのままに、自分らしさを表現するものとして提供。想定しているユーザーは知りたいこと、見たいことを探り当て、伝えたいこと、見せたいこと、共有したいことを発信するWeb2.0を使いこなすユーザーで、そのようなユーザーのライフスタイルにフィットするコミュニケーションツールとして、生活に溶け込むアイテムを目指したとした。つまり、Bamboo+Web2.0なら、楽しかったことを人に伝える、いいアイディアが浮かんだらブログに書いたり、Twitterで伝えたり、そんなCommunication & Inspirationを実現するラインアップを用意したという。

「Bamboo Fun」は、写真やビデオの加工が可能なソフトウェアを付属。「Bamboo Art Master」は「Bomboo Fun」にガイドブックを追加した製品。ガイドブックは、付属ソフトの使い方だけでなく、作例も掲載している。「Bamboo」は付属ソフトはなく、ビジネス用途で最適。「Bamboo Touch」はペンが付属せず、タッチによるPCの操作がメインとなる。

このタッチの操作は、2本の指を使ったものとなる。1本の指で1回軽くたたくとクリック、2回たたくとダブルクリック。2本の指で同時にたたくと右クリック。この2本の指で上下左右に動かすとスクロール。2本の指を広げるとズームイン(拡大)、縮めるとズームアウト(縮小)、回転させると表示している画像が回転する(アプリケーションの回転機能によって動作が異なる)。

2本指によるタッチ操作によって、画像回転ほか、クリック/ダブルクリック/スクロールなどが行える

タッチとペンの操作を同時に行った場合はペンが優先される。今後、指でキーボードをたたける楽器のようなアプリケーションの登場も想定されるが、現在は2本の指までしか判別できない。ユーザーやメーカーからの要望が高ければ、さらに多くの指を同時に判別することも検討する可能性があるとした。

会場内では、実際に新Bambooを利用したデモンストレーションを実施。ビジネスシーンを想定したデモでは、Bambooを使って、PowerPointの操作や必要な部分に書き込みを行ったりした。プライベートを想定したデモでは、外出先で撮影したビデオを編集し、イラストや文字を追加するという作業を披露。このほか、Google Earthを使って、拡大・縮小・回転などの操作を行っていた。

PowerPointの操作や追記書き込み、ビデオ編集などをデモ

プロパティを開くと、機能の設定以外にも、操作に関するチュートリアルを確認できる