SAPジャパンとNTTデータは9月17日、SAPの統合基幹業務ソフトウェア「SAP ERP」と、NTTデータが提供するバンキングネットワークサービス「ANSER」の相互接続を年内に実現し、導入サービスを提供していくことで合意したと発表した。

これにより、SAPのユーザー企業は自社内のSAPのERPシステムと「ANSER」に接続された全国の金融機関との間で直接かつ高速の専用回線を用いた銀行取引データの連携が実現され、複数行から同時かつリアルタイムでバンキングサービスを受けることが可能になる。

これまで、企業で利用されているバンキングサービスと会計システムは直接接続されていないケースがほとんどであり、特に取引銀行数や口座数が多い大手企業では事務の非効率性や処理遅延、運用面でのミスや不正の抑止といったことが課題となっている。一方、ERPシステムにおいてもインターネットを用いた取引とそれに伴う決済手法の多様化などがテーマとなっている。こうした現状を踏まえ、両社は今回の合意に踏み切った。

具体的には、「ANSER」とのインタフェースとして、NTTデータの「eBAgent」と接続する機能をビジネスプロセス統合管理ツール「SAP NetWeaver Process Integration」で構築し、入出金明細の取得や口座の残高照会などを活用する基本的な業務ワークフローを含めてテンプレートとして用意する。同テンプレートを用いて、SAPパートナーは短期間でシステムを導入することが可能になる。

SAPは同接続サービスの専任コンサルティングチームを編成し、NTTデータと共に、SAPのユーザー企業やパートナーに対する導入支援サービスを展開する予定だ。

NTTデータの「ANSER」のシステム構成とサービス構成