矢内理絵子女王が3連勝で女王初防衛を果たした第2期マイナビ女子オープン(毎日コミュニケーションズ、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会主催)の就位式が16日、東京・竹橋のパレスサイドビルで盛大に行なわれた。

優勝杯を手に笑みを見せる矢内女王

矢内女王はしっとりとした和服姿で登場し、来場者からはためいきがもれた。米長邦雄日本将棋連盟会長、中川信行毎日コミュニケーションズ社長、中井広恵日本女子プロ将棋協会(LPSA)代表理事、矢内女王が観光大使を務める行田市の工藤正司市長、矢内女王を小学4年生から指導してきた師匠の関根茂九段らがそれぞれ祝辞を述べた。日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会から女王の就位状が授与され、500万円の優勝賞金と人間国宝徳田八十吉作の九谷焼の優勝杯が贈られた。

矢内女王は感謝の意を述べた後「第2期マイナビ女子オープン五番勝負は、3連勝という最高の成績で女王防衛を果たすことができました。しかし、第一局は形勢が二転三転する中でギリギリの勝利、第二局は劣勢を持ちこたえ、第三局は玉の即詰み(王手が途切れずに、そのまま詰みに至ること)に2人とも気づかず見落としていた命拾いの勝利でした」と、挑戦者の岩根忍女流二段との熱戦を振り返った。その上で、「満足いくシリーズとはいえませんでしたが、最後まで持ちこたえ、辛抱強く耐えたことが大きなポイントになったと思います。諦めない気持ちの大切さを改めて感じました。自分の欠点を克服しながら、自分の将棋を高めていきたい」と抱負を述べた。また、女王防衛にも意欲を見せ「女王というタイトルをできるだけ長く保持できるよう頑張りたい」と気持ちを新たにしていた。

マイナビ女子オープンは2007年、将棋界としては15年ぶり5つ目のタイトル戦として創設された女流戦。優勝者には「女王」の称号が与えられ、優勝賞金は女流棋戦では最高額の500万円が授与される。第2期マイナビ女子オープンは、挑戦者である岩根女流二段が五番勝負直前の出産などで注目を集め、矢内理絵子女王の初防衛で幕を閉じた。