米Oracleは9月15日(現地時間)、同社ハードウェア製品第2弾となる「Oracle Exadata Version 2」を発表した。初代DBマシンに当たるExadataはデータウェアハウス市場を主なターゲットとしていたが、Version 2では性能の全体的なブラッシュアップで従来比2倍以上の高速処理を実現しており、Oracleでは「OLTP処理に適した史上初のDBマシン」とアピールしている。

前回のExadataが米Hewlett-Packard 以下、(HP)との共同開発だったのに対し、今回のVersion 2はハードウェアをSun Microsystemsが、ソフトウェアをOracleが担当し、OracleによるSun買収後初のコラボレーション製品とも呼べるものになっている。

初代Exadataに続いてVersion 2の発表を行った米Oracle CEOのLarry Ellison氏

発表を行った米Oracle CEOのLarry Ellison氏は「DB処理に特化したハードウェアはTeradataなどのライバルも製品をリリースしているが、どれもDWH(データウェアハウス)を主眼に置いている。だがOLTP (Online Transaction Processing)に主眼を置いた製品はExadata Version 2が初となる。前モデルのExadataも標準構成のハードウェアと比較して10-50倍高速な製品だったが、今回はそれをさらに上回る2倍以上の性能を持つ。振り返って初代ExadataもDWHをターゲットとしていたが、Version 2はOLTP処理に対応し、さらにDWHとして利用しても高速動作する」と圧倒的なパフォーマンスを強調する。

Exadata Version 2の筐体。SunとOracleのロゴが入っている

初代ExadataではDBのクエリー処理をインテリジェント化し、ボトルネックとなりやすいストレージやネットワークの帯域を最大限に有効活用することで高速化を実現していた。Version 2ではプロセッサ、ネットワーク、ディスクの高速化で全体のパフォーマンスを引き上げただけでなく、Sun FlashFire Technologyと呼ばれる技術を採用した5TBのフラッシュメモリキャッシュに加え、ラック当たり最大400GBという大容量DRAMを使ってトランザクション性能を大幅に引き上げた点で特徴がある。

膨大なメモリとフラッシュメモリを搭載しているが、これはすべてキャッシュとして利用される。圧縮されたデータベースが両メモリに詰め込まれる

スケーラビリティと可用性もVerison 2の特徴

Ellison氏によれば、この膨大なメモリとフラッシュキャッシュを使って階層構造を構築し、より高速なメモリを効率利用することで秒間100万回のランダムI/Oに対応できるシステムが実現できたという。

Version 2のこのほかの特徴としては、最大8ラックまで並列接続してトランザクション性能をリニアに向上できるスケーラブル設計なこと、また電源やネットワークを含めて多重化されているためシステムダウン耐性に優れている点が挙げられる。またライバル製品と比較して圧倒的にコストパフォーマンスが高い点もメリットだという。

Sun Microsystemsのハードウェア担当トップのJohn Fowler氏(左)、同氏が手にするのは特別開発されたVersion 2の高速動作を実現しているフラッシュメモリ技術を搭載した専用モジュール

価格モデルの例。スモールスタートできる点もメリット

ライバル製品群との価格比較