前編では大間のマグロや明治28年創業の歴史ある料亭など、高級青森グルメを紹介した。今回は、B級グルメや前回紹介し切れなかった駅弁を紹介しよう。9月に秋田・横手で開催されるB級グルメの祭典「B-1グランプリ」に出品される「青森生姜味噌おでん」や「黒石つゆ焼そば」も登場するぞ!

日本三大焼そば、じゃないけど知名度急上昇

みなさんは「日本三大焼そば」をご存知だろうか。秋田・横手の「横手焼そば」、群馬・太田の「上州太田焼そば」、そしてB-1グランプリ第1回大会、第2回大会で優勝している静岡・富士宮の「富士宮焼そば」、これら3つを「日本三大焼そば」と呼ぶ。しかし青森には、衝撃度では日本三大焼そばの上を行くであろう「黒石つゆ焼そば」というものがある。

つゆ焼そば。「焼そばにつゆがかかってる?? いやぁ~、それはナイナイ」なんて思っているアナタ。正解ですよ!! 青森県黒石市の名物「黒石つゆ焼そば」は、ソースで味付けした焼そばにつゆをかけている。つゆから立ち上る湯気と共に、ソースの香りも広がってくる。なんとも不思議な体験だ。

青森県黒石市の名物「黒石つゆ焼そば」

「青森生姜味噌おでん」

ひょっとすると黒石つゆ焼そばを知らない人もいるかもしれないが、実は全国区のメニューなのだ。エースコックが2007年にカップ麺商品として発売しているからだ。もちろん今年9月に開催される「B-1グランプリ」にも登場するので、今後もその注目度は高まっていくだろう。

そして、「青森生姜味噌おでん」も青森の名物B級グルメ。おでんといえば、からしを少しつけてそのまま食べるイメージが強いが、このおでんは違う。すりおろした生姜を加えた味噌ダレをつけていただくのだ。生姜は体を温める作用があるので、寒い土地ならではの料理といえよう。ちょっと甘めのタレなので、食べていてホッと和める。青森に行ったら、ぜひ味わってみてほしい。なお、こちらも「B-1グランプリ」に出品される。

いちご煮を駅弁で手軽に楽しむ

青森にはまだまだ有名な料理がある。次はいちご煮である。ストロベリーの煮物ではない。八戸を中心とした地域に伝わる郷土料理で、八戸でとれたウニやアワビの吸い物のこと。なぜ「いちご煮」という名前になったかというと、ウニの卵巣の塊が赤く、野いちごのように見えるというのが理由のようだ。つくり方としては、ウニとアワビをだしで煮て(湯の場合も)、塩や醤油で味付けをし、大葉をプラス。シンプルだが、ウニやアワビといった高級食材を使ったなんとも贅沢な郷土料理なのである。農林水産省が2007年に発表した「農山漁村の郷土料理百選」にも選ばれている。

今回は店で食べることができなかったので、お弁当で堪能。「いちご煮弁当」(1,100円)は青森・八戸に本社を置くニュー八のお弁当。ウニごはんにおかずがついており、さらに吸い物が別添えになっている。大葉の香りや磯の香りが漂ってきて、手軽に郷土料理を味わえた。

「いちご煮弁当」(1,100円)はつゆがついている

さらにもう1つ、いちご煮弁当。こちらの「いちご煮めし うにの炊き込みご飯」(1,100円)は、創業明治25年の吉田屋(本社:青森・八戸)の商品だ。ウニやアワビだけではなく、つぶ貝やサザエ、いくらも盛り込んだ豪華な内容である。

「いちご煮めし うにの炊き込みご飯」(1,100円)