--薄毛の進行を防ぐセルフケアはありますか?

小林氏「頭皮の状態をきちんと理解することです。皮脂が出ているからといって、全て取り除いてしまうと、身体は乾燥を防ぐためにより皮脂を出そうとするので逆効果です。シャンプーは夏場でも1日1回と決め、頭皮:髪=7:3の割合で洗ってください。もしどうしても汗や皮脂が気になるなら、お湯で洗い流すだけでも十分です。シャンプーは、自分の肌質に合っていて、スカルプケア(頭皮ケア)を意識した商品を選ぶといいのではないでしょうか」

--育毛剤などの市販品は使ってもいいのでしょうか?

小林氏「現在の育毛剤は残念ですが、かなりの発毛が期待できるものではありませんので、進行抑制程度と考えて使われた方がよいと思います」

--食生活などで髪のために気をつけたほうがいいことはありますか?

小林氏「"第一に髪にとって……"と、考えるのではなく、心身ともに健康となるためには、と考えてください。髪にのみ特化した食品などはありません。睡眠を十分とり、バランスよい食事をとるなど、日々の生活習慣を改善して、心身の健康を意識することが最終的に髪の健康につながっていきます」

--お酒やタバコは髪に影響するのでしょうか?

小林氏「喫煙は、ニコチンなどの作用により毛細血管が収縮します。すると、末梢の血流も悪くなるので、抜け毛を増やす原因となる可能性はあると思います。飲酒に関しては、節度を踏まえればそれほど悪くはありません。ただ深酒で肝機能の低下や、アルコール依存症を引き起こしたり、睡眠不足や適当な食事で済ませるといった習慣にならないよう気をつけましょう」

--夏から秋にかけて心がけたいことはありますか?

小林氏「春から夏にかけてと、そして秋から冬にかけては、抜け毛が多くなる時期です。秋に抜け毛が増えたように思えても、季節的な要因が大きいので、焦って急に色々なことを始めないようにしてください。1日平均100本程度の抜け毛は問題ありません。髪に関する市場もこの時期は様々な情報を発信していますから、それらの情報に振り回されないことも大切です」

--ありがとうございました。