理化学研究所は8月7日、汎用のコンピュータを並列につないだPCクラスタをスーパーコンピュータとして利用するシステム「RSCC(RIKEN Super Combined Cluster)」を発展させた、新たなスーパーコンピュータシステム「RICC(RIKEN Integrated Cluster of Clusters)」を開発したことを発表した。同システムの開発は富士通が行った。

同システムは、LINPACKベンチマークテストによる性能測定で、PCクラスタのシステムとして国内最高の97.94TFLOPS、実行性能92.36%を達成した(世界34位)。

同システムの目的は、日本で最良のコンピュータ利用環境を研究者に提供すること、次世代スーパーコンピュータに向けたアプリケーション開発環境を整備すること、GPUアクセラレータを導入し、その利用を促進することである。

RICCのシステム構成

同システムは、3つの異なる用途の計算サーバシステム(超並列PCクラスタ、大容量メモリ計算機、多目的PCクラスタ)と共通のフロントエンドシステム、磁気ディスク装置、テープ装置によって構成される複合システムである。目的PCクラスタには、それぞれGPUアクセラレータが搭載されている。

富士通の製品は、PCサーバ「PRIMERGY RX200 S5」1,024台(2,048CPU、8,192コア)が超並列PCクラスタに、また、HPCミドルウェア「Parallelnavi」とHPCジョブ管理ツール「メタジョブスケジューラ」がシステム環境に採用されている。

RICCは8月11日16時から和光研究所内の情報基盤センターで所内外の関係者に新システムを公開した後、課題申請を受け付け、10月1日より運用を開始する。