NECと米Aerojet-Generalは8月3日、人工衛星向けイオンエンジンの開発/販売において協業の検討を始めたと発表した。

イオンエンジンは、イオン化した燃料を高速で噴射することにより推進力を生み出すエンジン。他のエンジンに比べて燃料が少なくて済むという特長があり、長期間の運用が求められる静止衛星や深宇宙探査機向けの推進装置として採用が広がっているという。

今回の協業は、小型マイクロ波放電式イオンエンジンを両社が共同で開発し、国際衛星市場で販売していこうというもの。NECでは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発した「マイクロ波放電式イオンエンジン」を、JAXAの委託を受けて製造。JAXAの小惑星探査機「はやぶさ」に搭載され、宇宙空間において3万時間以上の長期運用に成功しており、従来のイオンエンジンに比べて2倍以上の長寿命と高信頼性を実現している。Aerojet-Generalとの共同開発ではその成果が利用されるという。

NECでは、小型マイクロ波放電式イオンエンジンについて、米国の人工衛星向け小型イオンエンジン市場において6割以上のシェア獲得を目指すとし、今後3年間で20億円の受注を見込んでいる。