日本最大の玩具見本市「東京おもちゃショー2009」が、東京ビッグサイトにて7月16日(木)~19日(日)の4日間の日程で開催中だ。マイコミジャーナルではホビーやクリエイティブなど別カテゴリの方でも全体的なレポート記事が予定されているようなので、マイコミ既刊「Omnibot FanBook」の編著者でもある筆者としては、ノンキャラクター(オリジナル)もののロボットトイをチェックするつもりで足を運んでみた。

すでによく言われていることではあるが、近年の不況の影響で"遠出の旅行などをやめて家で遊ぼう"というのが巷の気分。それに応えるように、親子で実際に食べられる食品を作って楽しむ食育系トイに各社とも力が入っているな、というのがショー全体の印象。

ロボットに関しては、もちろんガンプラや超合金などのフィギュア系は例によって年々クオリティアップしていて熱い展開があるのだが……。実際に動くロボットトイの分野については、明確に"ロボット"であることを売りにしたインタラクティブ性のある新製品はさほど多くなく、個人的には少々さびしい印象も抱いた。

ともあれ以下に、チェックした製品についてのレポートをひと通りまとめてみた。18、19の後半2日間は入場無料のパブリックデー(一般公開日)。19日が最終日となるが、遊びに行ってみようという読者の参考になれば幸いだ。

お台場・東京ビッグサイトにて、本日まで開催中(終了は16:00)

パブリックデー初日、ステージはイベント前から大変なにぎわい

またホンモノに近づいた? バンダイ「Myドラえもん」

今回、ロボットトイとして第一に注目すべき製品は、やはりバンダイの「Myドラえもん」だろう。1980年代からロボット開発に携わる芳賀義典氏が所長を務めるチーム「バンダイ ロボット研究所」の最新作だ。

同チームは、かつては「BN-1 わがままカプリロ」や「ワンダーボーグ」、最近では「タンサーボーグ」や「ネットタンサー」など、プログラミング機能を持ったホビーロボット製品を世に送り出してきた。2004年には"2010年までに本物のドラえもんを作りたい"という「リアル ドリーム ドラえもんプロジェクト」の一環として、音声認識機能を搭載した「ドラえもん・ザ・ロボット」も開発している。

さて、TVアニメ放送開始30年の今年、新たに発売となる「Myドラえもん」は、自ら移動する仕組みはないものの、高さ約16.5cmのデスクトップサイズのボディに多数のセンサやスイッチを内蔵。コミュニケーションに特化したロボットトイとなっている。ニューラルネットワークの応用技術により、光・音・動きの各種センサの反応から現在の環境・状況を判断し、1300種以上もの内蔵ワード(セリフ)の中から適切なものを選び出して会話ができる。

首は左右と上下に動き、ロボットらしく表記するなら2軸、2自由度。人感知センサーにより近づいたユーザーを認識し、そちらへ振り向くことができる。腕は自動ではないがポーズをつけられ、スイッチが内蔵された手先を握るとおしゃべりを始めるなど、スキンシップ的なコミュニケーションも可能。お腹の四次元ポケットにもスイッチがあり、開けると声でひみつ道具の名前や解説をしゃべってくれる。

電子ブックリーダーなどに使われているペーパー液晶を玩具では初めて採用したのも特徴で、曲面となる目の部分に使用することにより、ドラえもんのイメージを崩さずに自然で多彩な表情を表現したとか。

"Myドラえもん"は9月3日発売予定で、予価3万1,500円。移動機能も持っていた2004年の「ドラえもん・ザ・ロボット」は当時1万9,800円(税別)で発売されたが、それ以上になかなか強気な高額設定ではある。これは今回のコミュニケーション機能についてのロボット研究所の自信の表れと受け止めて発売に期待したい。

等身大ドラがお出迎え?の「Myドラえもん」ブース

「Myドラえもん」は9月3日発売、予価3万1,500円

ファンなら思わずニヤリな未来デパートのパッケージ入り

Myドラえもんの構成パーツ

目の部分に使われているペーパー液晶

10種類の目のパターン

同梱される「バンダイロボット研究書 Ver.2009」の表紙イメージには、研究所で開発されたロボットたちが登場、2004年発売の「ドラえもん・ザ・ロボット」の姿も