米IBMは7月16日(現地時間)、2009年第2四半期(4 - 6月期)決算を発表した。売上は232億5,000万ドルで前年同期比13.3%のマイナス、純利益は31億300万ドルで12.2%のアップとなっている。引き続き厳しい情勢が続いているが、同日決算を発表したGoogleと同様に売上減少をコストカットによる利益率改善で賄っていることがわかる。

第2四半期ではこれまでと同様に、ハードウェア製品を扱うシステム&テクノロジー部門の売上が大きく減少する一方で、ソフトウェアやサービス事業の減少幅は抑えられており、結果としてよりソフトウェアとサービスへの比重が高まっている。だが主軸となっているサービス事業も必ずしも順風満帆というわけではなく、IBMが2002年にPricewaterhouseCoopers (PwC) Consulting買収で獲得したビジネスコンサルティングを行うGlobal Business Services部門の売上が他の部門と比較してもマイナス15.0%と大きく落ち込んでおり、ユーザー企業が高額なコンサルティングへの投資を避けている傾向がみてとれる。また引き続き、ドル高が決算全体に悪影響を及ぼしているようだ。

同日に決算を発表したGoogleが積極的な人員整理と支出削減策が功を奏して売上減少分を利益率改善でカバーしていたが、IBMでも同様な状況がみてとれる。実際、IBMは今年初に1万人規模の人員整理を行っているが、米Wall Street Journalの報道によれば、同社の利益率改善はむしろ業務プロセスの見直しに拠る部分が大きいようだ。高額報酬を必要とするコンサルタントらをつなぎとめるため、例えば特定顧客向けに開発したソフトウェアや業務プロセスを再利用してコストを削減するなど、別の部分での支出を見直しているという。

なおIBMでは今回の決算発表を受けて、2009年通年の利益目標を当初の1株あたり9.20ドルから9.70ドルに上方修正している。