6月2日、Adobe SystemsはAdobe Flash Platformのさらなる進化を実現する3つのツールのベータ版をリリースした。「Adobe Flash Builder 4」「Adobe Flash Catalyst」、そしてオープンソースで提供される「Flex 4フレームワーク」である。Flash Builderはこれまで「Flex Builder」という名称だったが、第4世代のFlexフレームワーク(Flex 4)に対応するに辺り「Flash」のブランド名を冠するよう変更された。一方、Flash CatalystはAdobeの従来製品にはなかった新しいタイプのデザインツールであり、デザイナとデベロッパをシームレスにつなげる新しいワークフローを実現できるものだとされている。このFlash Catalystはこれが初のパブリックベータ版である。

Adobe Systems Iberica(スペイン・バルセロナ)でグループマネージャ兼プラットフォームエバンジェリストを務めるEnrique Duvos氏。旧Macromedia出身のソフトウェア アーキテクト

今回、この3製品のリリースを含むAdobeの製品ポートフォリオ戦略や、デザイナや開発者に与える影響、今後のリリースプランなどについて、同社でシニア プラットフォーム エバンジェリストを務めるEnrique Duvos(エンリケ デュボス)氏にお話を伺った。

まずFlex BuilderからFlash Builderに名称を変更したことについて、同氏は2つの狙いをその理由として挙げている。ひとつはフレームワークとツールのブランドを明確に分けるということ。Flexが誕生してすでに数年が経過しており、"Flash"だけでなく"Flex"単独のブランドも十分に認知された。そこでBuilderやCatalystなどのツールは"Flash"ブランドに統一し、"Flex"ブランドはその基盤となっているフレームワークに対するものとして設定し直したとのことだ。これによって、従来のFlexユーザにとってFlashの名称が身近になるというメリットもある。

もうひとつの狙いは、Flexを利用するアプリケーション開発者にとって、オープンソースのフレームワークと商用ツールの区別が付きやすくすることである。アプリケーション開発者にとって、自分の利用したい環境がオープンソースなのか有償の商用ツールなのかを把握することは極めて重要だ。そこで、ブランド名を明確に分けることによってその区別を容易にすることを狙っているという。