健康食品や医薬品などのインターネット販売サイトを運営するケンコーコムはこのほど、6月の一般用医薬品(大衆薬)のネット販売での売上高が前月に比べて62.4%減少したと発表した。6月1日に全面施行された改正薬事法に伴い、一般医薬品の通信販売が大幅に規制されたのが要因だとみられる。

同社の6月のネット販売売上高は約3,766万円で、5月の約1億円からマイナス約6,234万円。5月は新型インフルエンザ関連の医薬品販売が増えたこともあるが、4月の売上高約6,477万円と比べても41.9%減少した。改正薬事法では、第3類以外の医薬品通信販売は原則禁止、第2類医薬品については、厚生労働省が定める特例により、2年間の期限つきで通信販売を認められているが、同社では、顧客の過去の購入履歴を確認できずに注文を断った事例が、6月中に約2,300件に上ったとしている。

省令施行以降、同社の顧客からは「この省令はおかしい」「通販で薬を買えなくて困っている」などの不満の声が多く寄せられているという。同社は5月、ウェルネットとともに省令の取り消しを求める訴訟を、国を相手取り起こしたほか、6月に顧客のコメントを集めるサイト「Join Us! ストップ・ザ厚労省」を開設。寄せられた声を裁判所に届ける活動を行うなど、顧客と事業者の双方が不便を強いられている事態を改善するため、今後も引き続き世論に訴えていくとしている。