エーピーシー・ジャパンは7月2日、データセンタとサーバルームの環境・管理・運用を最適化するアセスメントサービスに3つの新メニューを拡充し、同日より提供を開始すると発表した。

同社は昨年12月より、3つのアセスメントサービスの提供を開始した。同サービスの特徴は、機器ベンダーでありながら、中立の立場からアセスメントを行う点である。アセスメントのレポートでAPC製品を推奨することはない。また、数十万円という価格帯は、データセンター事業者だけでなく企業ユーザーも利用しやすくなっている。

既存の3つのサービスは「数値流体力学(CFD)を使用したデータセンタ空調解析」、「データセンタ電源効率アセスメント」、「データセンタ電源・空調アセスメント」である。データセンタ空調解析サービスでは、データセンタのエアフローや温度分布を3Dアニメーションで示してもらえるので、データセンターの状況を一目で把握することが可能だ。

数値流体力学(CFD)を使用したデータセンタ空調解析の分析結果を示す3Dアニメーション。アニメーションの精巧さによって価格が異なる

今回追加された3つのサービスは、「データセンタ熱分布アセスメント」、「サーマルスキャン・ライト」、「ワイヤリングクローゼットアセスメント」である。

データセンタ熱分布アセスメントでは、デジタル赤外線サーモグラフィを用いて、主幹ブレーカー・変圧器・断路器・UPS・分電盤・配電盤の温度を測定し、業界標準のガイドライン・基準を超えるホットスポットなどの問題を分析し、赤外線写真を含むレポートを作成・提出する。また、高温が確認された配電線の電流値の計測、機器の設置や配電線ラベルなどの目視検査、電気系インフラの保守記録確認などを行い、改善策を提案する。価格は63万9,000円(東京都内、ラック数20台までの場合。税込)。

データセンタ熱分布アセスメントで提供される写真。左が赤外線カメラで撮影した変圧器の画像で、右が赤外線カメラで撮影した排気ダクトの画像

データセンタ熱分布アセスメントとサーマルスキャン・ライトの報告レポートの例

データセンタ熱分布アセスメントの内容をパッケージ化して価格を下げたものが、サーマルスキャン・ライトである。データセンタ熱分布アセスメントより測定箇所が少なく、事前説明会が省略されている。同サービスでは、デジタル赤外線サーモグラフィを用いて配電盤・ラック単体ごとの温度を測定し、問題点の指摘・分析結果を含むレポートを作成・提出するほか、目視検査を通じてブレーカーなどの損傷状況を確認し、一覧表を作成する。価格は26万4,000円(東京都内、ラック数20台までの場合。税込)。

ワイヤリングクローゼットアセスメントでは、ネットワーク機器やネットワークラック設置のために特別に設計された部屋「ワイヤリングクローゼット」内の配線や機器を接続する配線装置の配置を分析・評価し、可用性の拡大に向けた解決策や推奨事項を提案する。価格は22万2,000円(東京都内、40回線までの場合。税込)。