PostgreSQLグローバル開発グループは7月1日、データベースエンジンであるPostgreSQLの最新版としてバージョン8.4をリリースした。従来製品と同様BSDライセンスに基づいており、個人使用・商用を問わず無償で利用できる。

新バージョンは、管理作業、問い合わせ処理、PostgreSQLデータベースのプログラミングを以前に比べより容易にするための改良を含み、新機能の追加および既存の機能の改良は293項目にわたるという。

また過去のアップグレードと比べ、管理や監視用のツール/コマンドの追加および改良が最も多いとしている。

主な改良点は以下の通り。

・並列データベースリストア
バックアップからのリストア速度を最大8倍向上する。

・列単位の権限
取扱いに注意すべきデータに対し、より細かな制御を可能にする。

・データベース単位の照合順サポート
複数言語環境におけるPostgreSQLを、より使いやすくする。

・長時間の停止が必要無いアップグレード
pg_migratorベータ版により、長い停止時間を伴わずに8.3から8.4へのアップグレードが可能。

・新しい問い合わせ監視ツール
問い合わせ処理により多くの視野を管理者に提供する。

新バージョン8.4では、ウィンドウ関数、共通テーブル式、再帰結合などANSI SQL2003機能を通して、より容易にデータ解析を行うことができるという。

デフォルトパラメータや可変長数のパラメータといったストアドプロシージャでの改良により、データベースサーバプログラミングはより単純、かつ小規模になったとしている。

既にダウンロード可能であり、公式サイトからソースコードの他、Windows/Mac OS X/Linux(32/64ビットx86版)/Solaris用のインストーラパッケージを入手できる。FreeBSD版は、FreeBSDの公式サイトから入手可能。