SAにより中期的・計画的なアップグレードが可能に

現在同社は、社員1人にPCを1台配置している。「部分導入を試したこともあったのですが、社内の風通しが悪くなることがわかったため、1人1台にしました。PCはビジネスのための道具と考えていて、道具が無ければ社員が使えるようにならないとの考え方に基づいています」(早田氏)。

同社はオープンバリューと共にソフトウェア アシュアランス(SA)を購入しており、個々の社員にとってもメリットがあると早田氏は語る。

「社員から『自宅と会社のOSなどを揃えたい』との要望が多く、会社として用意できるものは用意したいと考えていました。SAならライセンスの範囲内で実現できるので、コストを抑えつつ社員の利便性を向上できます」(早田氏)。

一方、ボリュームライセンスのメリットは理解しやすくても、SAについては社内に"本当に必要なのか"との疑念もあったという。

「Officeを現在社内で利用している2003から2007や次期バージョンにアップグレードする際、SAがあれば"いつでも変えられる"というメリットがあります。また当社では、クライアントPCは3年ごと、サーバは5年ごとにハードウェアごと更新しており、ボリュームライセンスとSAの組み合わせで、不安定な予算の中でも安定した中期的予算を立てられます。SAによるアップグレード権は、その期間中に利用しない可能性もありますが、将来アップグレードした際には、SAがあることで抑えられたコストはかなりあるように感じています」(早田氏)。

最後に早田氏はボリュームライセンスとSAのメリットについて、「中途半端な管理は一見コストを抑えられるように思えますが、結局は管理者の首を最も絞めてしまうことになるのです。SAは、ソフトを使い続ける面や管理するといった面において、最も根拠のある提供方法だと、実際に使ってみて気付きました」と語った。

プレインストールPCとSAのコスト比較

東宝東和と同規模の80台のPCにおいて、プレインストールPCとオープンバリュー+SAでコストを比較してみた。

Office Professional Plusを、Software Assuranceを含むオープンバリューで80ライセンス、6年間利用した場合

・約1,200万円
(1ライセンスあたり、メインPC・サブのノートPC・自宅PCの3台でOfficeを利用可能)

同様の運用をプレインストールパソコンとパッケージのアップグレードで構築した場合

・約2,700万円

計算の条件
- 6年間で2回のバージョンアップを想定
- 最初にプレインストールモデル(Office Personal)を購入しアップグレードはパッケージで行う
- 全社員にPowerPointとAccessを追加導入
- パッケージは、アップグレード版を利用した最少コストで算出

この結果、6年間の総コストで比較すると、オープンバリューとSAの導入で約1,500万円の節約になる。