米Googleは6月28日(現地時間)、同社傘下のYouTubeを使ってWeb上のニュースコンテンツを拡充する2つの新規プログラム「YouTube Partner Program for News Publishers」「YouTube Reporters' Center」を発表した。これにより報道関係などのパートナー企業がYouTubeを使って動画ニュース配信が可能になるほか、いわゆる市民ジャーナリズムでYouTubeを活用するためのTIPSが紹介されている。

「YouTube Partner Program for News Publishers」によって、Google NewsからYouTube上のニュースクリップの再生が可能に

市民ジャーナリスト養成講座のような面も持つ「YouTube Reporters' Center」

YouTube Partner Program for News Publishersでは、YouTubeとGoogle Newsが手を組み、YouTube上にアップロードされたニュースクリップをGoogle Newsの関連検索ページから閲覧可能になるなど、ニュースの露出度が上がるメリットがある。Googleによれば、YouTubeを活用することで配信コストが削減でき、かつ自社のニュースサイトなどWeb上の好きなページから埋め込み機能を使って呼び出せるため、自由度が高い点を強調している。利用方法はNews Publishers向けの注意書きを読んで自社サイトを登録、YouTube Partner Programへと参加すればいい。登録された動画ニュースはYouTube Newsのページに掲出されるほか、前述のようにGoogle Newsの関連検索の一部として登場することになる。またYouTube Partner Programに参加することで広告掲載による利益シェアが可能になるほか、各種解析ツールの利用、コミュニティとの連携など、各種サービスが利用できるようになる。

前者の新プログラムがニュースサイトなどの専門企業向けのサービスなのに対し、後者のYouTube Reporters' Centerは一種の市民ジャーナリスト養成講座のような内容となっている。例えば事件や災害報道など、大手マスコミではカバーしきれない細かいネタは多数あるが、iPhone 3GSなどに代表される動画撮影機器の普及によって一般の人間でも簡単に撮影/アップロードが可能になり、YouTubeなどのサービスを介して世界に発信することでマスコミとの補完関係を成り立たせている。同センターではこうした市民ジャーナリストがいかに相手を取材して、要点を押さえつつ、法的問題などをクリアするかなどのTIPSが紹介されている。ビデオクリップも掲載されており、例えばCBS NewsのKatie Couric氏によるインタビューにおける準備、New York TimesのコラムニストNicholas Kristof氏による犯罪現場においていかに被害に遭わずにレポートを行うかなど、現場のプロからの実践講座が揃っている。