STMicroelectronicsの日本法人であるSTマイクロエレクトロニクスは6月26日、ARM Cortex-M3コア・ベースのSTM32マイコンの新製品ラインで「コネクティビティ・ライン」の量産を開始したことを明らかにした。

コネクティビティ・ラインは、イーサネット、USB、CAN、およびオーディオクラスのI2S機能を同時に必要とする設計に対し、32ビットの処理を提供する。2種類の製品シリーズ「STM32F105シリーズ」と「STM32F107シリーズ」があり、105シリーズは、USB 2.0フルスピードのOTGペリフェラル(ホスト/デバイス)およびフィルタリング機能を持ったCAN2.0Bコントローラ(2個)を組み合わせている。

コネクティビティ・ラインのパッケージイメージ

一方、107シリーズは、IEEE1588 PTP(Precise Time Protocol)のハードウェア・サポートを備えた10/100イーサネットMACを加え、リアルタイム・アプリケーションのイーサネット接続を可能にしている。専用バッファにより、USB OTG、CANコントローラ(2個)、およびイーサネット。インタフェースを同時に作動させることが可能で、通信ゲートウェイ・アプリケーションに対応する。

いずれのシリーズともに、オーディオ・クラスのI2S通信をサポートしており、USBホストおよびSPI機能と組み合わせることで、USB大容量記憶装置、MP3プレーヤ、SDカードなどの外部記憶装置からオーディオ・ファイルを読み取り、I2S経由でデコード後、出力が可能だ。

105シリーズは、組み込みフラッシュメモリの容量64K/128K/256KBの3品種が、107シリーズは組み込みフラッシュメモリの容量128K/256KBの2品種がLQFP64もしくはLQFP100パッケージに搭載される。単価は約1万個購入時で、LQFP64パッケージの64KB品で約2.90ドル、LQFP100パッケージの256KBで約4.92ドルとなっている。