ここ最近、IT業界を騒がせていた中国の国内販売PCへのフィルタリングソフト導入義務づけ問題だが、一定の解決に至ったようだ。中国政府は6月16日(現地時間)、7月以降にPCメーカーに強制するとしていた同国指定のフィルタリングソフトの導入を選択制にすると発表した。米Associated Press (AP通信)が同日付けで伝えている。これにより、依然としてソフトウェアは強制添付されるものの、インストール自体は強制されなくなった。

同問題は、中国政府が国内で販売されるすべてのPCに対して指定のフィルタリングソフトの導入を強制し、不健全な情報の遮断を行うとしていたもの。だが、ここで指定されたソフトウェア「Green Dam-Youth Escort」にはさまざまな問題が現出しており、一部報道によれば中国政府がPC監視に必要な強制制御やデータの抽出機能が仕掛けられているという。また米ミシガン大学は調査の結果、Green Damには初歩的なバッファオーバーフローの脆弱性が存在し、そのままの使用では非常に危険なことを警告している。また既存製品のプログラムやコンポーネントの流用がいくつか見受けられ、特にブラックリスト処理に関しては「CYBERsitter」のデータがそのまま使用されていると指摘する。

ソフトウェアそのものの危険性や著作権違反が指摘され、PCメーカーの採用見送りまで騒がれ始めた一連の問題だったが、最終的に中国政府が折れる形で強制化は免れたようだ。